表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/61

セイサン

 私たち夫婦は、今日で結婚10周年を迎えました。

 節目の夜ということで、夫が予約してくれたのは、人里離れた場所にある静かな会員制のレストランでした。


 最近の私たちは、お互いに隠し事や小さな嘘が積み重なり、冷え切った関係が続いていました。

 夫の浮気、私の無駄遣い。

 そんなギスギスした空気を変えたくて、夫がグラスを掲げながら言いました。


「今日は記念日だ。これまでの悪いことは全部忘れて、一度二人の関係を『セイサン』しようじゃないか」


 私はその言葉を聞いて、少しだけ救われた気持ちになりました。


(そうね、これまでのわだかまりを全部清算して、また一からやり直せるんだわ……)


「ええ、そうね。私もそれを望んでいたわ。ありがとう」


 私は微笑んで、夫が注いでくれた赤ワインを一気に飲み干しました。

 夫は満足そうに頷き、自分のグラスには手をつけないまま、じっと私を見つめてこう言いました。


「よかった。……君なら、この『セイサン』の味も分かってくれると思っていたよ。さっき、キッチンで特別に混ぜておいたんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ