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なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


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寝室の同居人

 私には、誰にも言えない秘密の趣味があります。それはぬいぐるみの収集です。

 成人した女性がぬいぐるみだらけの部屋で過ごしているなんて、周囲に知られたら引かれる気がして、この趣味は固く隠してきました

 私の寝室は壁一面がぬいぐるみで埋め尽くされた「聖域」となっており、たとえ親しい友人であっても家に招いたことは一度もありません。


 しかし最近、その聖域にいると、どうも「視線」を感じて落ち着かないのです。 プラスチックの瞳が、じっと私の一挙一動を追っているような、肌を刺す感覚。


 悩んでいると、大学からの男友達である佐藤くんが「最近、元気ないけどどうしたの?」と心配そうに声をかけてくれました。


 私はぬいぐるみのことは伏せつつ、言葉を濁して相談しました。


「うーん、実は最近、家の中で誰かに見られているような気がして……。ちょっと疲れが溜まってるのかな」


 すると、佐藤くんは優しく微笑んでこう教えてくれました。


「ああ……そういえば、寝室に『目』を模したものをたくさん置いていると、脳が錯覚して視線を感じることがあるらしいんだ。魔除けのつもりで置いた置物とかでも、敏感な人はそうなるみたいだよ。もしかしてそういうものを置いてたりしない?」


 私はその言葉を聞いて、パッと目の前が明るくなりました。


(あぁ、やっぱり原因は寝室のぬいぐるみたちだったんだ!)


 佐藤くんから、「目に似たもの」というヒントをもらえたことで、私はすっかり納得しました。同時に、恐怖は一気に幸福感へと変わりました。


(なんだ、みんな私のことを見つめてくれていたんだ。なんだか愛されているみたいで、幸せだな……)


 私は佐藤くんにお礼を言い、今夜も彼らに囲まれてゆっくり眠ろうと決めて帰路につきました。

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