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なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


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無意識の習慣

 最近、私は自分の「物忘れ」のひどさに困っていました。


 朝起きたら、キッチンに出しっぱなしにした覚えのないコップが置いてあったり。

 昨日買ったはずのパンが、一口だけかじられた状態でゴミ箱に捨てられていたり。

 テレビのリモコンが、いつもとは違うクローゼットの中から見つかったこともありました。


(……一人暮らしだし、疲れてるのかな。無意識に自分がやったことを忘れてるだけだよね)


 最初は「空き巣?」と疑いましたが、玄関の鍵はいつも閉まっているし、窓のロックも完璧です。

 何より、物が盗まれるどころか、むしろ「生活の形跡」だけが増えていくのです。


 だから、私はこれを「ただの自分の勘違い、物忘れ」だと思い、念のために寝室にネットワークカメラを設置しました。


 翌朝、ドキドキしながら録画データを確認しました。 深夜2時。映像の中の私は、確かにベッドから起き上がり、フラフラとリビングへ向かって行きました。


「……これ、もしかして夢遊病? 私、寝てるとき勝手に動いてたの? ……でも、そっか。誰かが入ってきたわけじゃない」


 私は困惑しつつもすっかり安心しました。

 自分が寝ている間に歩き回っているだけなら、誰かに危害を加えられる心配はありません。


 安心して今日もいつも通りクローゼットの中に隠されていたリモコンを取り出して私はテレビをつけました。

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