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なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


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見かけによらない

 人は見かけよらないものです。

 私は大学で周囲からよく「真面目だね」と評されますがそれだって結局は勝手な印象に過ぎず、大してあてになるものではありません。

 それを証明するような痛ましい殺人事件が先日、私の通う大学で起きました


  警察の捜査は迅速で、すぐに同じ大学の学生が容疑者として逮捕されました。


 驚いたことに、犯人とされたのは私の知っている「田中くん」でした。

 凶器となったのは市販のカッターナイフで、そこからは田中くんの指紋だけがはっきりと検出されたそうです。決定的な証拠となり、彼は逃げ場を失いました。


 私から見た彼は、とてもそんなことをするようには見えない、実に「いい人」でした。


 つい先日も、私がうっかり学内でカッターナイフを落としてしまった際、通りかかった彼がすぐに拾い上げてくれたのです。


「落としたよ。はい、どうぞ」


 彼は汚れのない笑顔で、カッターナイフの本体をしっかりと握って返してくれました。そして、私がカッターナイフを受け取った際、私の手元を見てこう言ってくれたのです。


「……綺麗な手袋だね。この季節に革の手袋なんて珍しいけど、すごく丈夫そうで、君によく似合っているよ」


 私は「ありがとうございます」とだけ答え、会釈をして別れました。 私の大好きな、特注の厚手の革手袋。指先まで隙間なく覆ってくれる、機能的な逸品です。


 田中くんのように親切で、人の良い人間が、まさかあんな凄惨な事件を起こすなんて。

 本当に、人は見かけによらないものですね。

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