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新たな魔物創造

 ゴブリンが(なた)や斧を振りかぶって一斉に跳躍。

その下をナイフや竹槍を突き出して別のゴブリン達が突進。

小柄な体躯(たいく)のゴブリンだからこその連携だ。


 だけど俺は暗黒色のクレイモアを横に一閃。

剣に(まと)わせた闇を逆巻(さかま)かせ、一振りでそれらのゴブリン全てを()ぎ払う。


 バラバラと落下する仲間の死体を前に、後続のゴブリン達の足が止まった。

その顔には一様に困惑。

俺が視線を向けると(ひる)んで1歩後退する。


 マザー・ゴブリンだけが歩みを止めずに向かって来ていた。

闇を溜め込み、圧縮された黒を砲弾として放つ。


 俺はクレイモアの切っ先を向けた。

闇の砲弾は剣先に振れると真っ二つ。

左右に分かれて俺の背後で着弾する。


『ナニヨ、ソノ(ちから)!』


 マザー・ゴブリンがしわがれた声で恨めしそうに吠えた。


『オカシイジャナイ。私ハコンナ姿ニマデナッタノニ!』


 マザー・ゴブリンは下腹部から伸びる長い腕でゴブリンの残骸を次々と拾い、下腹部へと取り込んで。

そして圧縮された闇がゴブリンを生み出した。

俺はその巨体を静かに見上げる。


 小柄で非力なゴブリン種の中で稀に生まれる膂力(りょりょく)に優れた大柄なハイ・ゴブリン。

さらにその肉体は普通のハイ・ゴブリンと異なり左腕がない。

代わりに2つの黒い腕が右肩から伸びていた。

その腕を支えるように黒い右足も太く、左右非対称で(いびつ)な姿をしている。


 ハイ・ゴブリンが2つの拳を振りかぶった。

上体を右によじり、岩の地面を(えぐ)るほどの跳躍で俺に迫って。

続けざまに鋼のような拳を俺へと叩きつける。


 俺がクレイモアでハイ・ゴブリンの攻撃を受け止めると地面が陥没(かんぼつ)

2度の衝撃で俺を中心にクレーターのようになった。


 さすがはブラックの身体が織り混ぜてあるだけはある。

周囲の闇の濃度より遥かに強い個体の連撃は、闇による俺の今の身体強化に匹敵するパワーがあった。


 さらにハイ・ゴブリンは空中でその黒い剛脚(ごうきゃく)を振り下ろす。


 でも俺はカウンターでクレイモアを横に。

()いで奪った闇を込めて刃を振り上げる。


「『黒き十字を抱きて眠れ(ダーク・グレイヴ)』」


 暗黒の十字がハイ・ゴブリンの肉体を両断。

走り抜けた黒の斬撃が後方のゴブリンの群れも巻き込む。


 マザー・ゴブリンは歯牙を()いてより強く敵意を俺に向けた。

さらに多くのゴブリンの亡骸(なきがら)を取り込んでいく。


「無駄だ。俺は闇が強ければ強いほど。相手が強くなるほどに力を増す」


 俺は最強の魔物として伝説に語られたフェンリルすら倒してるんだ。

どんな魔物にも負けはしない。


 なのにマザー・ゴブリンは諦めない。

より強いゴブリンを生み出そうと、ついには生きたゴブリンまでも取り込み始めた。

腹部から伸びる腕が本数を増やし、クモの巣のように四方に伸びて逃げ惑うゴブリン達を次々と掴む。


「…………」


 俺は闇の圧縮を始めた。


 ドラゴソーサラーのような複数の魔物の特徴の融合。

そしてマザー・ゴブリンが見せたような意図した不均一な構成での形成。

今までは生み出す魔物の種族までしかコントロールしてこなかったけど、今回はそれらを踏まえて新たな魔物の創造を行ってみる。


 生み出すのは同じゴブリンベース。


 相手が生み出すのはここにある闇の濃度を遥かに超える個体。

おそらく先ほどのハイ・ゴブリンよりもさらに強大な力を有した魔物を生む。


 対して俺は闇の濃度を超えた個体は作れない。

だけどそれくらいのハンデでちょうどいいはずだ。


 マザー・ゴブリンがついに魔物を生み出した。

ゴブリン種の頂点ゴブリンキングをベースにした巨大な魔物。


 対して俺のゴブリンは俺より小柄な、兜と鎧を身につけた個体。

その名前をゴブリン・ロードナイト。


のちに魔王と(うた)われる俺が従える、6魔将の一角を担うことになる最強のゴブリンだ。

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