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防御魔法しか使えない聖女はいらないと勇者パーティーを追放されました~そんな私は優しい人と出会って今は幸せです  作者: 土偶の友@転生幼女3巻12/18発売中!
第1章 聖女は出会う

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92話 防御魔法


「はああああああ!!」

「死ねえええええ!!」

「消えろおおおお!!」

「すごい」


 こっちの攻撃一発でE,Dランクの魔物が消し飛んでいく。流石このメンバーに選ばれるだけのことはある。


「がらああああああ」

「きゅけえええええ」


 しかし、魔物も黙ってやられていくだけではない。やられる間際に爪を振って来たり、牙で噛みつこうとして来る。


 一応この程度の魔物の攻撃であれば大丈夫なはず。


 そう思って見ているが問題はないようだ。彼らの体に傷一つついていない。良かった。防御魔法の効果がちゃんとあるようだと一安心していると、隊長から激が飛んだ。


「我らには守護の女神がついている! この程度の攻撃は躱すまでもない! 殲滅を優先しろ!」

「「「おおおおおおおお!!!!」」」

「え!? さすがにそk」

「突撃ぃ!!!!」


 私が口を挟む前に全員が駆け出したのでついて行かない訳には行かない。ちょっと過剰な期待にハラハラしながら進むが、魔物達の攻撃に本当に食らっていないようで安心するような、どこまで持つか分からないような気持ちだった。


 そんな気持ちを抱いていたため、いつでも防御魔法を放てるように心の準備だけはいつでもしておいた。もし防御魔法が解除されれば分かるからだ。


 しかし、そんな時は中々来なかった。目の前の魔物がD,Cランクになって、少しずつ攻撃が耐えられるようになってきても攻撃は通らない。だから誰一人も傷つくことなく勝ててしまった。


 目の前のD,Cランクの魔物を倒して少し時間が出来る。その時に少しふっと我に返る人達が出始めた。


「あれ?」

「俺らってこんな頑丈か?」

「どう考えてもこの防御魔法の……」

「考えてる暇があったら武器を振るえ! 考えるのは後にしろ!」


 隊長の言葉で全員が意識を戦いに戻す。


 私たちの目の前からはC,Bランクの魔物が姿を表す。今度はさっきまでの相手とは違い、油断はできない。


「行くぞ! このまま突撃! 今回はしっかり回避しろ! 回復も期待できんぞ!」

「「「おう!!」」」


 全員一丸となって突撃する。後ろからも魔物が来るが後ろを守っている人もいるので安心だ。とはいえ、少しでも油断すると背後を突かれてしまうので警戒は怠らなかったが。


 前線もBランクの魔物が出てきたことで直ぐには倒せなくなっていく。さっきまで回避することをしていなかったせいか被弾も増えている。


「ぐはっ! ってあれ? 痛くねえ」

「おい! 気を付けぎゃああ!!! ……ん? ほんとだ痛くねえ」

「おい! 相手はBランクのミストウルフだぞ! かっは! ……マジだ。痛くねえ」


 ちなみにミストウルフとはシャドーウルフの上位種で、今まで高かった攻撃力、俊敏性が強化され、そこに隠密性まで加わった魔物だ。体表は紫でシャドーウルフより1周りも2周りも大きい。一応群れでカウントされるのでBランクと言われるが、相対すれば無傷で逃げることは難しいとされる。例えそれがAランクでも。


 しかし、ミストウルフの攻撃を受けても傷一つつかない自身の体に冒険者達は疑問を覚えていた。なぜ、一切怪我をしないのかと、その理由は当然一つしかないことに全員が行きつく。


「「「……」」」


 ミストウルフの攻撃を受けながらも幾人かがクロエの方を向く。


「あの、攻撃されてますよ?」


 別の攻撃が効かないのにそんなに心配する必要はないんじゃないかという言葉は飲み込みそういうと、彼らはミストウルフに躊躇いなく剣を振り下ろす。


「あおおおおおおん!!」

「くぅん……」


 悲しそうな声を上げているが、私たちを殺そうとしたのだ。そこに慈悲などない。


 ミストウルフ達は私たちに攻撃が効かないことを不思議に感じながらも、懸命に攻撃を繰り返す。


「なぁ、クロエさん。この件が片付いたら俺達のパーティに」

「おい、抜け駆けはずるいぞ。俺達のパーティなら好待遇で」

「いやいや、うちの商会に所属すれば欲しいものは大体調達してくれますよ?」

「お前ら、そういうのは後にせんか!」


 隊長から活が飛んで全員気合を入れ直した。


「それとクロエ殿、もしお主がよければ我が部隊は何時でも歓迎するぞ?」

「は、はぁ」


 そんなに言われてもどうしようか。そう思う気持ちが芽生え始めた所でフリッツさんが叫ぶ。


「ケルベロスが動いたぞ!」

「「「!!!」」」


 その場にいた全員に緊張が走った。


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