57話 2日目
「よろしくお願いしまーす!」
私たちは掃除の依頼の二日目に来ていた。
服装は勿論汚れてもいいボロボロのもの。フリッツさんも今回はちゃんと汚れてもいいものを着ている。
着ている服はかなりぼろいので、すれ違う人に避けられたりするのがショックだが、この依頼自体は嫌いではない。
老婆の彼女も嫌味などは言わなくなってきた。
「よろしく頼むよ。今日これから行くところは少し遠かったり汚れてたりする。しっかりやるんだよ」
「はい」
「もちろんだ」
こうして私たちは街のはずれの方に向かう。
「ここが次の掃除場所さね」
「これは……」
「かなりの物ですね……」
そこには鳥の糞やわざと汚されたのかかなり汚くなっている銅像が立っていた。こうやって見るのも可哀そうになってくる。
「全く最近の馬鹿どもはこれだから……アクアスプラッシュ」
彼女が魔法を使って汚れを洗い流そうとするが、こびりついているのか中々落ちない。
「ほれ、アンタたちの出番だよ」
「任せてください」
「直ぐに綺麗にしてやる」
私たちは掃除を一生懸命やり始めた。
それから1時間後にはピカピカに綺麗になっていて、昔の雄姿を表しているようだ。それほどに立派な銅像に戻っている。
「……」
老婆はその銅像に向かって深く祈りを捧げている。これまでの時もそうだったが、その真摯な姿に私は聖女の端くれとして感銘を受けていた。
私も彼女のように神に祈りを捧げていられるのだろうかと。
「この方はどういったお方なんですか?」
「最後の人が終わったら教えて上げるよ」
「はい」
私はそれからも必死に掃除を続けた。
そして残りの4体が終わるころには空はすっかり真っ暗になっており、治安とかも悪くなる時間帯だった。
しかし、そんな気持ちなど、これだけの掃除をし続けた気持ちに勝るものなどない。
「終わったー!」
私はすがすがしい気持ちで叫ぶ。今日の5つはかなり汚れてしまっていたが、掃除をしてどどんどん綺麗になっていくのは見ていて、いや、綺麗にしていてとても楽しかった。
「こんなにかかるなんてな……場所もかなり見つけにくかったり、行きにくかったりしたな」
「それでも私は結構楽しかったですよ?」
「偶にはこういった仕事もいいな」
「お疲れさん。家で料理を準備してあるから食ってきな」
「いいんですか?」
「ああ、そこで話してやろう」
彼女にそう言われて私たち家にお邪魔することになった。その前に大衆浴場で汚れだけは落としておいた。
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