第三章<~プロローグ2~>
「はぁ、もうあんなに混雑するなんて、警らは何やってるんだろう?
おかげで出勤が10時になっちゃったじゃなぁ~い。」
どうも今日はついてない。
せっかく無人パトカーに乗り込んだのに、道路が物凄く混雑していたのよ。
ま、朝起きた時点で遅刻はすでに確定していたんだけどね?
しょうがないわよ、吸血鬼なんだもん。
遅刻しちゃうのも、運が物凄く悪いのも、私がドジなのも…。
全て私が吸血鬼だからなんだもん!
という事で。
署に到着した私は満天の青空のもと、う~ん!と思いっきり背伸びをした。
「えへへっ、本日も快晴なりってね。」
私は吸血鬼なのに曇天よりも晴天の方が好きなのだ。
トントン。
なんだろ?
不意に人さし指で誰かが肩を叩いてくる。
せっかく久しぶりの晴天に心晴れ晴れって感じなのに、気分壊さないでよね。
トントン。
あぁん、もう!
「ちょっとぉ、それってセクハラよ?」
私は頭にきたので、思わずその手を払いのけながら言ってやった。
「重役出勤というやつだな。
で?
誰がお前みたいな、ドジでちんちくりんな吸血鬼にセクハラをしたって?
お前にそんな奇特な事をする男がいるのなら、是非紹介してほしいものだな。
俺が念入りにじっくりと諭してやろう。」
きゃ~っ!
まだ心の準備が出来てないのにぃ。
恐る恐る振り返ると、やはりそこにいたのは私が最も敬愛する大魔神…。
私の頼れるパートナー、藤田 春樹さんでしたぁ。
「お、おはよっ!
今日も良いお天気よねぇ。」
と私は努めて明るい話題に振ろうとしたんだけど…。
やっぱりそう上手くはいかないみたい。
春樹ったら恐ろしい程に爽やかな笑みで、怖いくらい綺麗な極上の微笑みを浮かべた。
「あぁ、そうだろうな。
さぞやお前の脳みその中も、良いお天気なのだろう。
で?
何か他に言っておく事があるのか?
今だったら聞いてやらん事もないぞ?
まぁ聞くだけだが、な!」
あぁ~ん、こんな時の春樹って超怖いよぉ。
誰か私を弁護してぇ~っ!




