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吸血鬼犯罪捜査官 美紅  作者: 城島 剣騎
<第2章>闇を切り裂く刃の誓い
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第二章<鳴海警部の顕身>


そうこうするうちに、美夜もようやく蔓を押しのけて顔を出す事に成功したようだ。

「迂闊だったわ。

まぁあたしの分身なんだから、あたしの能力ぐらいは理解しているわよね。

鳴海警部、もう住谷 薫さんは戻らないわよ。

完全にナリソコナイと融合しちゃってる。

顕身した時点で住谷 薫さんは死亡したという事。

だから遠慮なく倒しても構わないわ。」

ふん、迂闊が服を着て歩いている吸血姫が何を言う。

と毒づいてやりたかったが、今の蔓に拘束された俺が言っても説得力というものがない。

ちっ、せめて片腕だけでも動かせれば抜刀出来るのにな。

「OK、情報有難うお嬢さん。

さて、向こうが顕身するなら俺も顕身しなければな。

行くぞ、顕身!」

気のせいか?

一瞬、変身と聞き間違えたぞ。

意味もなくポーズをとった所から見ても、仮面ライダーを意識しているようだ。

まさか鳴海警部に、こんなおちゃめな一面があったとはな。

そして、顕身した姿を見た俺は合点がいった。

髑髏の顔に立派な二本の角、そして牙が美しく輝いている。

全身骸骨の様相に騎士のような天然の鎧が煌めく。

一言で評するならば不気味格好良い。

「クルースニク。」

クルースニクだと?

確かに美夜はクルースニクと言ったな。

クスースニクとは、スロベニアやイストリア半島に住むスラブ人の間に伝わる吸血鬼ハンター。

語源は十字架を意味する[Krat]。

ハンガリーではタルボシュともいう。

クルースニクは同じ吸血鬼ハンターのヴァンピールと違って元々は人間である。

説話では白い羊膜に包まれて生まれてくるという。

宿敵は吸血鬼クドラク。

赤い羊膜に包まれて生まれてくるクドラクとは宿命の敵だと聞いた事がある。

まさか、そのクルースニクが吸血鬼となって力の相乗をしているとは思いもよらなかった。

「お嬢さん、正解。

俺は元々はクルースニクさ。

でも宿敵だったクドラクは人工血液を糧として人に害をなす存在ではなくなったので、俺はクドラクに自分の血を提供し、代わりにこの超強力な能力を得る事が出来たという訳さ。」

ふん、吸血鬼ハンターに真逆の吸血鬼の力をプラスとはな。

スーパーサイヤ人もびっくりというやつだろう。

「さて。

ナリソコナイ…、いやアルラウネよ。

お前にもわかるのだろう?

歴然たる力の差というやつをな。

大人しく降伏する事を勧める。

今ならば科学の発達によって、人工血液による食事も可能なのだ。

勿論、裁判をうけて吸血鬼専用の刑務所には行って貰わねばならんがな。

相応の罪を悔い改め、これからは世の中に益する吸血鬼となって世界に貢献すればよいのだ。」

俺は鳴海警部の説得を聞いて思わず美夜を見たが、美夜は全く鳴海警部のご高説など聞くつもりはないかのように、遠くを見つめていた。

「ふん。

我々、吸血鬼は闇の住人。

闇を住処とし、人に害をなして生きていく者。

なのに…。

お前のような堕落した愚かな裏切り者達の手によって、我々のような正統派の吸血鬼はどんどん脅かされていく。

人間と吸血鬼の共存?

有り得ない事だと何故気付かないのだ。

人間など下等な生物。

そして我々吸血鬼こそが全ての存在の頂点にたち、愚かなる人間を捕食して糧とするのだ。

これこそが本来あるべき吸血種族の生き様だと何故思えんのだ!」




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