第一章<~エピローグ~>
「おい、それは本当の話か?
だとしたら、随分と物好きな男がいるものだな。
まぁ蓼食う虫も好き好きと言うからな。」
かぁ~っ、あったまきたぁ!
「はぁるぅきぃ?
そう、気になるのね?
私に気がある男がいると知って内心焦ってるんでしょぉ?」
どうせこんな事を言うと馬鹿にしてくるんでしょうね、春樹は。
「少し、な。」
え?
えっえっ、ええっ?
「何々なぁにぃ?
もっかい言って。」
嘘うそっ。
なんか今、とても信じられない台詞を聞いたような気がする。
「アホぅが!
お前のようなドジで頭の悪い吸血鬼と付き合おうとする奴がいるなら、哀れだなと思っただけだ!」
なによぉ、春樹のくせにぃ。
むぅぅ。
ほんのちょっぴり期待しちゃったじゃない。
「まぁ俺も酔狂な男なのかも、な。」
ええっ?
ドキドキ。
思わず私は春樹を見つめた。
そして、あろう事か春樹はそんな私の顎を手に取り、唇を近づけてきた。
きゃ~っ、これって…。
キキキキ、キスしようとしてるんじゃぁ!
ちょっと、胸の動悸が止まらない。
そして私は、その瞳を閉じた。
とその瞬間!
不意に猛烈な痛みを感じて思わず目をあけた。
「くっくっくっ、だぁれがお前なんぞと酔狂な真似をするかよ。
このアホぅが!」
「ひたいひたい。」
乙女のほっぺたをつねるなんて酷ぉい!
思わず私は、春樹を睨んだ。
「ま、でもヒントをやったとはいえ謎解きに関しては及第点をつけてやろう。」
おおっ、春樹にしては正当な評価よねぇ。
「だが、爪の甘さでは落第点だな。
そもそも俺は頭脳担当でお前は行動担当なのだぞ?
なのにお前は俺に戦闘をさせた。」
ええっ?
その考えは女として反論したい。
「男は騎士で、女はお姫様じゃないのぉ?
だったら逆じゃない。」
あっちゃぁ、言わなきゃよかった。
私の言葉に春樹はニヤリと笑ったからだ。
「なら聞くが、俺はお前に洞察力とか慧眼の知恵だとか、作戦立案を求めても良いんだな?」
むぅぅ、春樹のいじわりゅ。
「はいはい、私が悪ぅございました!
で、謝りついでに聞くけど、ロールミーって何?」
と私は素で聞いただけなのに、春樹ったら突然顔を赤らめた。
ん?
なんか変な事言ったのかな?
「お、お前はそんな言葉なんぞ知らなくてもいいんだよ、このアホぅは。」
なによぉ、そう言われると気になるじゃないの。
「いいじゃない、教えてよぉ。」
と私が詰め寄ると、春樹は何故か突然無人パトカーに向かって駆け出した。
「おい、くだらん事言ってると置いていくぞ?」
何なの、この春樹らしからぬ可愛い反応は?
「ちょっと待ってよぉ。」
まぁ、いいわ。
署に戻ったら、じっくり問い詰めてやるんだから。




