表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼犯罪捜査官 美紅  作者: 城島 剣騎
<第1章>吸血鬼ストーカー殺人事件
26/126

第一章<悲しき狂気>


するとアマーリエさんは諦めたからか、それとも別の意味で何かを企んでいるのか?

それはわからないけど、驚く程に妖艶な微笑みを私に返した。

「違わない。」

みっ認めちゃうのぉ?

私はあんまりにも早くアマーリエさんが犯行を認めたので、ちょっと拍子抜けした。

「でも吸盤の辺りは違いますわね。

私は吸盤なんてありませんわよ?

刑事さんのない頭に免じて、私が種明かしをして差し上げますわ。

どうやってあの高い場所にある飾り窓まで登ったのか。

答えは尻尾ですわ。

大きくジャンプして体を反転させ、飾り窓に尻尾をつっこみ、それをフックとしたの。

そして尻尾を振って遠心力をつけ、そのまま本体を持ち上げて飾り窓を掴み、体を固定した。

後は皆、御察しの通りよ。

因みにアブジーに事件解明を依頼したのも私。」

あっちゃぁ。

犯人に謎解きをご教授願うなんて、春樹がいたら首をしめられちゃう。

「何故この計画を思いついたアマーリエさんが、わざわざアブジーに依頼を?」

するとアマーリエさんは顔を曇らせて言った。

「何がアブジーよ…。

人類吸血鬼連合よ!

所詮、吸血鬼と人間がわかり合える訳ないじゃない。

人間と化け物が仮初の平和なんて歌っていたって、そんなの綺麗事よ。

何か一つ歯車が狂えば、忽ち相争う運命じゃないの!

捕食する側と捕食される側。

そんな関係がうまくいく訳ないんじゃなくって?

私はそんな夢物語を平然と言うアブジーや吸血鬼世界政府が信じられない。

だから貴女達に挑戦状を叩きつけて、かつ、私のアリバイ工作に利用してやろうと思ったまでよ。」

何故だろう…。

悪態をついているアマーリエさんから、その心の奥底では血の涙を流しているのが見える。

吐き捨てるように悪態をつくアマーリエさんを、私は思わず抱きしめたいと思った。

「どうして?

どうしてそんな悲しい事を言うの?

だって貴女はあんなにも川島氏と深く愛し合っていたじゃない。

だからこそ結婚までしたんじゃない!

なのに…。

アマーリエさん、一体何が貴女をそんな悲しい狂気に走らせてしまったの?」

そう言いながらも私にはわかる。

いえ、わかってしまった。

でも、私はあえてアマーリエさんの口から真相を聞き出す事によって、今後の罪を購って再出発する未来のアマーリエさんの為にふんぎりをつけさせてあげたかった。

「あの人、川島 高次さんは素敵な人だった。

あの人は旅行でギリシャまで来ていたの。

でもキプロス島から出た船が難破し、船は沈没。

私はたまたまエーゲ海に流されていたあの人を救出した。

そして息を吹き返したのを見届けた私は、立ち去ろうと思ったの。

けれどあの人は立ち去ろうとした私の腕を握った。

そして言ったの、顕身した醜い姿の私に…。

「待ってくれ。

最初は人魚かと思ったけど違ったんだね。

有難う、優しくて美しい蛇の君。

私は命の恩人である君に何が出来るだろう?」

2人の出会いって本当に王子様と人魚姫の話みたいね。

なんか憧れちゃう。

「嬉しかった。

私みたいな半身半獣の吸血鬼に驚きもせず怯えもしないで、真っ直ぐな瞳で優しく囁いてくれた事。

そして私はあの人と恋に落ちた。

私はあの人を私の棲む洞窟に連れていき、あの人の傷が癒えるまで御世話をした。

そして昼夜を問わず、私達は深く愛し合った。

あの人は何度もロールミーと叫んでは、私を求めてくれた。

馬鹿だったのよ、私。

そんな幸せが永遠に続く訳もないのに、どんどんあの人にのめりこむ自分を抑えられなかったの。」

…。

そんな素敵な出会いをした2人だったのに、どうして?

というか、どうでもよいのだけどロールミーって何かしら。

まぁ、それは後で物知り春樹にでも聞いてみよっと。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ