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吸血鬼犯罪捜査官 美紅  作者: 城島 剣騎
<第1章>吸血鬼ストーカー殺人事件
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第一章<プライベートバス>


「で、お二人はいつからお付き合いをなさっているの?」

ブ~ッ!

ななな。

いきなりなんて事を言うのよアマーリエさん。

私はあまりにも突飛すぎる発言に、思わず口に含んでいた最後の人工血液を春樹に向かって吹き出してしまった。

で春樹はというと、仏頂面で静かに首を振ったが、私が吹き出した人工血液を浴びて恐ろしい程の冷たい視線を私に浴びせてきた。

きゃ~っ。

春樹怒ってるよぉ。

ま、当然っちゃあ当然なんだけどね。

そんな私達の険悪ムードを気の毒に思ったのか、川島 高次氏は久美さんを手招きして小声で何かを喋ったかと思ったら、さっさと食堂を後にした。

「なんか聞いてはいけない事を言っちゃったみたいね。」

と川島氏に続いてアマーリエさんもお詫びの会釈をして退室し、変わって久美さんが私達の前へとやってきた。

「春樹様。

御主人様が御自身の部屋着をお使い頂いてと仰ったので、お二人とも今よりお風呂へ御案内させて頂きますね。

指し障りなければ私どもでお洗濯をさせて頂きますので。」

久美さんの言葉に軽く会釈をした春樹は、きっ!と私を睨んだ後、すごすごと退室した。

で、私はというと…。

春樹の罵詈雑言を恐れて少ししてから退室する事にしたの。

だってぇ…。

すんごい怖い目つきだったんだもぉん。

なので謝罪を先延ばしにすれば春樹も少しは冷静さを取り戻してるんってじゃないかなぁ?とか狡い事を考えていた。

あはは。

やぱ私って小狡いかしら?

って事で!

春樹が退室して後、私は久美さんと久美さんの友人、井上 涼子さんと取り留めのない雑談を楽しんでいた。

「美紅さんには悪いんだけど、私は藤田さんって寡黙で冷たい人って印象だし、なに考えてるかわかんなそうだから、正直言ってあんまタイプじゃないわ。」

それは正鵠を射た評価かもしんない。

う~ん。

涼子さんって私と同じで、結構思った事をはっきりと言う、久美さんとはタイプは違うけど好感を持てる女性ね。

スラッとしてて女性にしては長身で、でも出るとこは出てて、必要ないとこはスリムって感じで、最初はモデルさんかしら?って思うぐらいのボン・キュッ・ボンな感じだし。

センターに分けた長い髪と均整のとれた顔立ちは見事よねぇ。

…。

あぁ、やめやめ。

あんまし自分と他人を比べるなんてよくないわよね。

思わず自虐の世界に入って落ち込んでしまう。

っていうか、私ってば16歳で成長止まったまんまだし…。

そうよ!

吸血鬼なんだからしょうがないじゃない!

などと自己完結してしまった。

で、頃合いかなぁと思った私は久美さんに案内して貰いながらお風呂に向かう為、涼子さんに手を振ってようやく重い腰をあげた。

え、お風呂よね?

でも案内されたのは地下室。

地下室にお風呂って変わってるわよねぇ。

「奥様が昼も夜も関係なくお入りになりたいと仰ったらしいですよ?」

あは、久美さんに読まれちゃった。

成る程、地下室なら日光を気にせずに入れるもんね。

地下に降りていくと二つの扉があり、久美さんは左の扉をあけた。

って事は、右は恐らくアマーリエさんの寝室なのかしら?

「わぁ~お!」

風呂場を見て、開口一番私は思わず感激のあまり叫んでいた。

久美さんに案内されたお風呂は、客用でもなければ使用人たちが入る、一般的なお風呂でもない[後で見せて貰った限り、一般的っても凄い広くてゆったりしたお風呂だったけどね?]、アマーリエさんと川島 高次氏だけが入る、プライベートバスに案内して貰ったからだ。

そ・れ・も!

ジャグジーやら薔薇風呂やら露天風呂なんかがある、超豪華なお風呂!

ってか、ここはスーパー銭湯かって思わず突っ込みを入れたくなる凄いお風呂だった訳で、正直感嘆の言葉しか出てこない。

おまけに水瓶を担いだ女神像があって、そこからお湯があふれだしてくる所なんか、まるで中庭の噴水みたいだ。

で、春樹が案内された方は、これも後から聞いた話では客用の、ここよりかはしょぼいユニットバスだったらしいの。

ま、川島氏やアマーリエさんに気に入られた者と、そうでない者との差ってやつかしら?

などと1人で埒もない優越感に浸る私であった。

あはは。

「あぁ、本当に良いお風呂だったなぁ~っ。」

と私は余韻に浸っていたのだが、ご機嫌な湯上りをした私を待っていたのは、未だに不機嫌ワールド全開な浴衣に着替えた春樹その人だった。

「おい。

任務を忘れ、勝手に豪華ディナーに参加させといて晩餐にありついた上に、俺のスーツを血で汚しといて謝りもせずに風呂を楽しんだマイペースで傍迷惑で呑気姫の美紅さんよ。

もうぼちぼち任務を再開する気はあるんだろうな?」

まったく。

男のくせに細かい事言わないでよね。

っとに執念深いというか、ヘビのような粘着質なタイプなんだから。

「任務ねぇ。

とりあえず周囲でも散策すれば良いかしら?」

すると春樹は呆れた口調で溜め息を吐きながら首を横に振った。

「やっぱりアホぅはアホぅでしかないのか?

事情聴取の際に川島 高次氏やアマーリエさんが言ってやしなかったか?

ストーカーが付け回してくるのは邸宅の手前までだと。

それに、俺の見立てでは間違いなくこれは内部による者が絡んだ犯行。

だとすればそれを見極めて炙り出す事の方が有意義だとは思わんのか?」

むぅぅ。

言いたい事は山ほどあるけど春樹がここまで言うには当然、何かそう推理し断定する根拠があるのかもしれない。

でも私は外部による犯行の線も捨ててはいないのよ。

よ~し。

ならここは私が確かな証拠を見つけ出して犯人を捕まえて、春樹の鼻をあかしてやるんだから!




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