表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
33/37

第三章 EP04 Radio(レディオ)

ボスが連れて行かれたあと、刑事部屋は妙に静かだった。


誰も大きな声を出さなかった。

誰も、ヤスに何かを聞かなかった。


ヤスは、自分の机に戻った。


机の上には、古い手帳も、短くなった鉛筆もなかった。


ヤスは、ヤスード改の画面を見た。


白い文字が、黒い画面に浮かんでいる。


挿絵(By みてみん)


---


* そうさ

* >やめろ


---


画面は、何も言わなかった。



ヤスは何となく、あの電話番号に電話してみた。

0、0、0、0、0、0、0、0、0、0。


みか「私、みかちゃん。あのー正直警察に通報しますよ!貴方誰なんですかー?もしかして最近話題のヤスって人ですか?」


ガチャン・ツーツー


ヤスは淋しくなった。




何か音が欲しかった。


ヤスは、ふとRadioをつけた。





DJ・YASU「皆さんこんばんは。DJ・YASUでーす」

「今週も始まりました『ヤッスのヤスヤス・レーディオ!』」



DJ・YASU「まずはラジオネーム、"みかちゃん@ブチ切れ"さんからです」

「また無言電話がさっきかかってきたんですけどー!本当に警察に通報したほうがいいですかぁ?」

「いやいや、ラジオに投稿するより警察に連絡しましょう!」



ヤス「……次こそ僕か……」



DJ・YASU「続いてはラジオネーム、"通りがかりのヤス"さんからです」

「あれ?ヤス田刑事って妹いなかったっけ?」

「いたそうですねー。どこかで幸せに暮らしていればいいんですけどねー」



「続いてはラジオネーム、"おいおい、EP3で捕まるってマジでヤスかよ!"さんからです」

「何故ボスが捕まった!早すぎ!」

「あーその話ですねー確かに早すぎですね~!しかもボスが犯人だったって?バカじゃね?と誰もが思いますよね。風の噂ではEP12でボスが記憶喪失オチで犯人だったとしたかったらしいが、記憶喪失オチはやめとけって誰かに言われたそうですYO」



ヤス「……」



DJ・YASU「続いてはラジオネーム、"ヤス"さんからです」


ヤス「!!」


DJ・YASU「ぼくはボスを犯人と思っていません。DJ・YASUなら真相知っていますよね?」

「おっと、今日はお時間になってしまいましたー!」




DJ・YASU「それでは本日ラストソング参りましょう」

DJ・YASU「リクエストは、姫路市安田町のヤン・スイホーさんから」


DJ・YASU「おお、有名な曲ですね。確か、某64ビット家庭用ゲーム機の音声認識マイクで録音したとか」

DJ・YASU「声は拾いますが、真実までは拾えません」



DJ・YASU「安々亭オールスターズで『ヤスい涙の64ビット』!」


♪ ヤスい涙を ひとつぶ落として (わわわわー)

♪ヤスいマイクに そっと吹き込む (わわわわー)

♪ヤスめの声で 名前を呼んでも (わわわわー)

♪ヤスらぐ返事は 返ってこ~~な~~い~~~


語り「ヤスい涙の、六十四ビット。読み込めないまま、夜が更けていきます。セーブできない夢も、あります」

語り「でも大丈夫!この番組も、だいたい読み込めていません」


♪ヤス、ヤス、ヤスと 呼べば呼ぶほど (わわわわー)

♪誰のことだか わからなくなる (わわわわー)

♪ヤス、ヤス、ヤスと 夜がこだまして (こだまーするー)

♪ヤス、ヤス、ヤスと 夜がこだま~する~~


♪ほんといい加減に この曲、やめろ(わわわわー)

♪電源切っても 消えやしない

♪ヤスい涙の64ビット

♪なにがわわわわーだよ このポンコツめ~ (でゅーあー)





Radioの音が、小さくなった。


ヤスは、しばらく何も言わなかった。


刑事部屋の隅で、端末が一度だけ光った。


画面に、ヤスード改の文字が浮かんだ。


ヤスード改「まだ、終わっていません」


ヤスは、画面を見た。


ヤス「知ってます」


ヤスード改「では、続けましょう」


画面の光だけが、ヤスの顔を照らしていた。


次回、第三章 EP04番外編 あの日の夜。

誰も最後まで見なかった夜に、倒れた男と残された痣だけがありました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ