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夢鬼理(ユメキリ)ネットワーク  作者: 魔与音・庵
第1章 夢鬼理ネットワークと異世界
6/11

第5話 ヴェルレストの村にて 前編

【ヴェルハラの森 野営ポイント 夜刻】



「シャリアさん! やったね! あなたがヴェルレストの村を救ったんだよ!」

『はい! 朝陽様、ユメキリ様。そして想いの契約をしてくれたユメキリIV型さん、私の故郷を救う力を託してくださり、本当にありがとうございました』



【シャリアとの通信が終了しました!】



 私はこれでよかったと思っている。

 もしベルゼスライムさんを私が討滅していたら、このエクスアリアの地の歴史に世界の異物である私の名前が刻まれてしまうところだった。



 私の目的は、今3つある。

 まず1つ目の目的は、エクスアリアの歴史の裏で、夢鬼理(ユメキリ)ネットワークをエクスアリアの地に築くこと。

 2つ目の目的は、夢覚市に私が帰還してもエクスアリアの人たちが。自分たちの力で夢喰に対応できるユメキリの分身を残すこと。

 3つ目の目的は、夢斬(ユメギリ)貮型とタケミツを連れて帰還し、夢覚市とエクスアリアの地とのゲートを閉じること。



 だから私は、救世主としてではなく、一人の夢斬士として、この地を渡り歩く覚悟を決めた! 

 夢宮コンツェルンと通信ができない現状を後悔しても、起きてしまったことだから、明日を迎える為に私は、3つの目的を遂行していくしかないのだ……



【シャリアが夢宮朝陽と通信を開始しました!】



『あの……朝陽様、ヴェルレストの村の長が朝陽様へぜひお礼をしたいそうですが……どうしましょう?』

「もちろん、行くよ! もうクタクタだからね!」

「ちょっと待ってね……ユメキリ、行ける?」

『左様……ヴェルレスト村だな……』



【夢宮朝陽がヴェルレスト村の中央広場に転移しました!】



【ヴェルレストの村 夜刻】



「あわわ……! 光の中から朝陽様が……あわわ」

「シャリアさん! 朝陽でいいよ、様はいらないよ」

「いいえ! 朝陽様は朝陽様です! 私の救世主様なのですから!」

「……いいよ、シャリアさんの好きに呼んで……」

「はい! 朝陽様!」



 シャリアさんは本当、天然というかエルフというか……でもあの強さは、夢斬士の上位者と同じくらいの強さだ。



 ――あわわは、口癖みたいだけどね。



「シャリア……この方が……我らの救世主様?」

「はい! アイリア様、この方があの禍々しいオーガに取り込まれた私を救ってくださいました!」

「そうか……私はヴェルレスト村の長、アイリア・ヴェル・エクスアリアと申します。この度は、禍々しいオーガからシャリアとヴェルレストの村を救っていただき、本当にありがとうございました!」

「いやいや、お礼は大丈夫ですよ! 私たちの世界が、エクスアリアの地を変異させた元凶なのですから……頭を上げてください、アイリアさん」



 私の返事に対して、アイリアさんは頭を上げた後、私へエクスアリアの地で起きている事を話し始めた。



「朝陽殿……元凶はそこでは無いのです。確かに邪なるオーガは、エクスアリアの地に今まで存在はしておりませんでした……シャリアが邪なるオーガに取り憑かれて、村へ危害を及ばない様、村を護るため、ヴェルハラの森周辺を彷徨っていた。その時、丁度、喋る武器を持ったヒューマアリアの少年がヴェルハラの森へ来ていたのです」

「……喋る武器を持ったヒューマアリアの少年……」



 タケミツとユメギリ貮型だ。

 でも夢喰ゆめぐいもついて来てたはず……ここはアイリアさんと情報を共有した方が後々、動きやすくなるかも。



「アイリアさん、その邪なるオーガは私の世界では、人の明日を奪う鬼、夢喰と呼んでおります……」

「ユメ……グイ?」

「そうです、夢喰です。アイリアさん、変化したシャリアさんはどれぐらいヴェルハラの森周辺を彷徨っていたのか、分かりますか?」

「それは……ヒューマアリアの少年が現れた前の夜からですね」

「そうですか……やはり我々が元凶だと思います」

「なぜですか? 朝陽殿」



 ユメギリ貮型が夢鬼理ネットワークをエクスアリアの地に接続してしまった時点で、夢を見ていたエクスアリアの人や魔物が見ていた夢にゲートを通じて夢喰が現れた。

 夢喰達からすれば、エクスアリアの地は新たな餌場の発見で、明日を奪える手段さえあれば、敢えて討滅されたふりをして、討滅した相手を殺意の夢喰の力として呑み込ませる事も簡単だ。

 だから夢斬士達が簡単に来る事ができない事も夢喰達は知っている……夢喰はヒトの悪意の想い等が集まり明日を奪う鬼として存在しているのだ。



「朝陽殿……つまり、我々がいつ殺意の夢喰とやらの力に呑み込まれてもおかしくないはないと…………そういうことでしょうか?」

「はい、既にシャリアさんが夢喰の力を取り込んでしまっていたのを私は直接見ています。呑み込まれていたシャリアさんの『殺めていい?』という言葉。これは明日を奪う夢喰がよく使う言葉の1つなのです」

「あわわ……私が殺める言葉を使っていたなんて……あわわ」



 ――まっ、シャリアさんみたいなそういう反応が、普通なんだけどね



「でもシャリアさん、あなたは私達の世界では存在しない想いの力で、夢喰を討滅しただけ。夢喰と人を繋ぐ門を閉じる……これが私の目的です、アイリアさん、シャリアさん。だから私はエクスアリアの地を巡り、夢喰から明日を迎える為の仕組みを作って、ヒューマアリアの少年と喋る武器を連れて、私の世界へ帰る為の旅をします」

「なるほど……朝陽殿、我々はあなたへの協力は惜しみません。あなたが違う世界から来た事もあなたの話が嘘ではない事は、シャリアのあの武装が証となっている。エクスアリアの地を巡る旅、その拠点の1つとしてヴェルレストの村をご利用ください」

「はい、ありがとうございます! アイリアさん」

「朝陽殿……今日は疲れたでしょう、朝陽殿の部屋を用意させましたので、そちらでお休みください」

「ありがとうございます」

「シャリア、朝陽殿をご案内しなさい」

「分かりました! アイリア様」



 シャリアさんの案内で、アイリアさんが用意してくれたヴェルレスト村の部屋へ向かうこととなった。



 ――それにしても本当に自然豊かで蛍が魅せる神秘的な村……おかげでクタクタな気分をリラックスできたよ! 



 後編に続く! 


 

最後までお読みいただきありがとうございました!

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