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第41話

 

 第41話 邪滅魔術嬢バレディナ:後編



【バレディナ夢邪滅(ムジャメツ)夢領域(ムリョウイキ) 邪刻(ジャコク)



「あひゃひゃひゃあー! 夢宮朝陽ぃー! 邪想黒滅雷光ダークライトニング!」



 ――くっ! 黒霧の紫空からこんなに大きな雷の邪なる力を放ってくるなんて! 曲がりなりにも元聖なる力使いなだけある!




「朝陽様、危ない! 緑浄滅雷!《リョクジョウメツライ》ハァー!」



 ズバァァァン!



 ――危なかった!




「そこのエル――エクスアリア族! またしてもワタシの邪魔をするのか! ほんとー目障りだわー! お前はこれと遊んでろよー!」



【夢喰エルタティアの侵略戦士型20体が交戦乱入してきました!】



 《「バレディナ様バレディナ様バレディナ様バレディナ様バレディナ様バレディナ様バレディナ様バレディナ様バレデ――」》



「うっさいなー! 『これが正義の夢斬士である夢月弥乃葉(ユメツキ ヤノハ)の斬撃だ!』ハァァァ! 夢羅鬼理(ユラキリ)殲祓滅斬(センフメツザン)!」




 《「バレディナさ……ま」》

 



「弥乃葉さんありがとうございます! 助かりました!」

「わたしのシャリアさんは仲間であり友だからね! 当然当然!」




 ――弥乃葉、シャリアさん……。



「二人共あと少しだから!」



 私が白想左腕(ハクソウサワン)と右手で(つか)を握りし、[刻文字(コクモンジ)・エクス]による殺意の邪想を換想(カンソウ)する構えの間は、どうしても隙が出る。

 ただ……私にとってもユメキリやコクモンジにとっても、ぶっつけ本番の新しい技だ。

 それと換想属性を属性刀撃へ繋げる為に吸属した邪想の力があまりにも強すぎて、かなり換想に時間がかかってしまう。


『朝陽よ、換想が終わったようだぞ』



 ――了解、ユメキリ!



夢鬼理(ユメキリ)想始(ソウシ)刻文字刀(コクモンジ)・エクス:白炎想薙(はくえんそうなぎ)モードへ移行しました!】



 ――白炎想薙モード……確かに左腕が常に燃やされる感覚があってかなり熱い! コクモンジの刀身も透き通る(あか)き月を映し出す色に染まっている、これなら!




夢宮朝陽(ユメミヤアサヒ)ぃ〜! そーんな力でーワタシを討滅できるとー考えてるワケー? アヒャヒャヒャーガチやばいねー!」

「バレディナ! アンタの明日はもう救えない……だからアンタは夢斬士である夢宮朝陽の私に斬られて、アンタは一度、永遠の無へ還るのよ!」

「あっ? 永遠の無へ還るだと? ヤレルモノならやってみなー! 邪雷滅夢斬想殺!《ダークボルトエクスプロージョン》」



 ――その邪想の雷の攻撃はもう……私の両手で握るコクモンジには通じない! 



「はあっ! 邪祓想滅斬(ジャフソウメツザン)!」



【夢宮朝陽の邪祓想滅斬によって、ダークボルトエクスプロージョンが消滅しました!】




「なんなのー! 貴様は一体、何者だ?! タケミツ様の敵はワタシの敵ダァー!」

「邪祓想滅斬!」

「ぐはっ! 夢宮朝陽ぃーーー!」

「邪祓想滅斬!」

「キャアァァ! タケミツ様、ワタシに更なる邪滅の力を――」

「タケミツはね、アンタの明日を救いたい想いを歪めて、自分のおもちゃにしたかっただけよ! 邪祓想滅斬!」

「タケミツサマガ……ソンナコトヲイウワケガナイ!」

「これで終わりにしましょう! バレディナ!」

「クルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクルナクル――」



 ――これが『明日を救う力を持つ者、力に溺れることなかれ』の掟を持つ夢宮の一族の掟破りに関わった者に訪れる……無醒殺滅(ムササツメツ)の掟だ! ……ごめんねバレディナ、タケミツのせいで……。




【夢宮朝陽が無醒ノ(ムサメノ)獄炎薙(ゴクエンナギ)殺滅(サツメツ)を発動しました!】



「ギャァァァァ! アツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイアツイー!」



 ――バレディナ……タケミツに歪められたとはいえ、自らの手で明日を奪う選択をしたのはアンタ自身、だからアンタが夢宮一族の事を知らなかったとしても、夢宮一族の掟を破った事と同じなのよ……。



「ワタシガ死ヌ――ットカイ……サレル」



 ――そうよ、バレディナ。

 明日を奪う力に溺れた者が解放される唯一の手段は、明日を救う力を持つ者によって命の灯火を消されること。

 だからあなたが次の夢覚(ムザメ)を迎える時は、あなたはもうバレディナではないのよ、さようなら。




【夢宮朝陽による夢邪滅(ムジャメツ)四重(ヨンジュウ)鬼卿(キキョウ)の一柱:バレディナの無醒殺滅が完了しました!】



 私は初めて夢宮一族の裏の掟である無醒殺滅の掟に従った。

 でも私は後悔をしてはいない。

 エクスアリアへ来る前、このエクスアリアと言う世界で生きてきた人々が築き、紡いできた明日を私は見ることはできない。

 ただ、私達が住む世界の存在であるタケミツに歪められたスレイアアリア人だったバレディナを解放しなければ、このエルタティアの光とメリディさんの光が消えていただろう。

 だから夢宮一族でもあり、エクスアリアの夢斬士である夢宮朝陽として、バレディナを無醒殺滅で解放した。



 ――バレディナが握っていた、この邪滅の杖を叩き斬らなきゃ!



「ハァ! 邪祓滅想斬!」



【邪滅の杖、夢邪(ムジャ)斬想士(ザンソウシ)魔術杖(マジュツジョウ)(サツ)が消滅しました!】



「朝陽! やったね!」

「うん」

「朝陽様、どうしたのですか?」

「うん、左腕が熱い!」

「そりゃ、その左腕から白焔(ハクエン)色の炎が出てたからね」

「えっ? そうなの? ……ん?」

『朝陽よ。最下層から莫大(ぼうだい)な聖なる力が溢れている様だ』



【エルタデュータ貮型契約者:エイアス・アリディアから通信が入りました】



 《『聞こ……え……か、あさ……殿……!』》

「聞こえてるよ、メリディさんは?」

 《『無事だ! 最下層にいたメリディ様の夢邪滅夢領域に入り、メリディ様の明日を喰っていた夢邪滅(ムジャメツ)喰龍(グイリュウ)を俺とエルタデュータ貮型の想いの力で斬った! ……朝陽殿、バレディナは?』》

「バレディナは……私が無醒殺滅で解放した」

 《『そうか……スレイアアリアの民であった民のバレディナ……これでエルタティアを支配していた影から一時的に解放されるだろうな、礼を言う朝陽殿』》

「うん、お礼はこの夢領域から脱出してからね」

 《『分かった、朝陽殿。メリディ様と共にそちらへ!』』



 エイアスさんと合流した私達は、主人を失い邪滅の力から解放され、無人となった聖なる光に包まれた夢領域から脱出したのだった。



 ――夢邪滅四重鬼卿は残り3人。邪想ネットワークの根源であるタケミツを無醒殺滅し、夢鬼理ネットワークVer.エクスアリアを完成させる……それが、明日を救う力を持つ夢斬士、夢宮朝陽のすべきことなんだ!



 第41話 邪滅魔術嬢バレディナ:後編 完。

 第42話へつづく!

お読みいただきありがとうございました。

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