第3話 エクスアリアの地 前編
【エクスアリア ヴェルハラの森 夜刻】
私は、エクスアリアの地で初めて会った住人、ヴェルハラの森の守護騎士 シャリア・エクス・ア・ロッテさんの夢喰を討滅した後、彼女が目を覚ます時まで側にいた。
例え、守護騎士の肩書きを持つエルフの女の子でも、暗くなり始めた森の中に置き去りにしてしまうのは、流石の私も気が引けてしまうからだ。
【夢鬼理ガジェットから野営設備を召喚しました!】
野営を設置してから3時間後、彼女はようやく目を覚ました。
「う……う……ん、はっ!」
「目、覚めた? シャリアさん」
「……はい、あれ? あの禍々しい邪な力が消えてる……」
「それはね、私が浄化したから……やっぱり覚えてない?」
「はい……でも覚えているのは、1日の体を休めた時、意識の中で、邪なるオーガの様な化物を見ました! 邪なるオーガを意識の中で、倒した後からの記憶が曖昧で……」
「やっぱりね……シャリアさん、私はその邪なるオーガ? の討滅と私の相棒と家族を迎えに来たの……シャリアさん、何か知ってる?」
邪なるオーガ……夢を喰う鬼 夢喰……やっぱり、夢鬼理ネットワークを通じて、エクスアリアの地へ来てしまったか……
夢覚市に一度戻って、夢宮コンツェルンへ状況報告した後にシャワーを浴びたい……でも今は、夢鬼理ネットワークを起動させないと私は帰れない。
ユメギリ貮型……あの子さえ手に戻ってきたら、ゲートを作れるはずなんだけど……
「あの……? 貴方様は、エクスアリア人ですか?」
「えっ、私? 私は夢宮朝陽、この世界とは違う世界からやってきた日本人!」
「ニ……ホン?」
「え……と、ユメキリ……お願いしてもいい?」
『朝陽よ、了解した』
ユメキリがシャリアさんに状況を説明しようとした時、シャリアさんが急に怯え始めた。
「あわわ……! 喋る武器……あわわ! 来ないで! 私は腑抜けレベル80の雑魚エルフじゃない……あわわ」
「えっ? どういうこと、教えてシャリアさん」
「朝陽様、あの喋る武器と戦った記憶だけは、なぜか残っているのです……私を腑抜け雑魚エルフと罵った喋る武器と戦った記憶……あわわ」
――チッ、ユメギリ貮型! また悪い癖を! 腑抜けはお前だよ!
私が夢覚市からエクスアリアの地にいたタケミツとユメギリ貮型へ通信を入れた時、2人の背後に女性と男性が倒れていた様に見えたけど、あの時の女性がシャリアさんだった。
ユメギリ貮型はかなり口が悪い、誰に似てしまったのかは知らないけど、ユメギリ貮型は気に入らない相手に対して、トラウマを植え付けるために腑抜けレベルという訳が分からないレベルを勝手に決める癖がある。
マイナスの意味を持つ腑抜けレベル。
私に対しても一度だけユメギリ貮型は、腑抜けレベル100と伝えてきたこともあった……
「ねえ、シャリアさん、その喋る武器を操っていたのは、男の子じゃなかった?」
「そうです! ヒューマアリア人の男の子でした」
「ヒューマア……アリア人?」
『朝陽よ、ヒューマアリア人とは人間の種族のことだ。おそらくタケミツのことだろう』
「……たく、困ったな……え、つまりシャリアさんから見て私はつまり……」
「そうですね、ヒューマアリア人の女性ですね」
「ヒューマアリア人……私は日本人だよ!」
「朝陽様は面白い方ですね」
「おもしろくなーい! でも少しは落ち着いた? シャリアさん」
「はい、聖なる力も戻ってきたみたいです」
「聖なる力か……戻って来て良かったね!」
「はい! これも朝陽様……救世主様のおかげです!」
「救世主じゃなーい!」
私……いや夢斬士が扱う想いの力とシャリアさんが言う聖なる力は同じだったらしい。
エクスアリアの地で流れている聖なる力である魔法の力の流れも想いの力と同じだったのも不幸中の幸いだった。
「……とりあえずさ、シャリアさんも疲れたでしょ?私とこの子は、明日の朝、この森から出るから。シャリアさんは家に帰った方がいいよ」
シャリアさんに私が帰る様に伝えるとシャリアさんから予想外の返事が帰ってきた。
「あの朝陽様……朝陽様さえ良ければ……私たちの村に来ませんか? そこなら焚き火もする必要がないですし、ヴェルハラの森の護り神様の御加護があるので、魔物も現れません」
この展開……訓練をサボるタケミツが読んでた異世界小説の流れになってない?
『朝陽よ、確かにシャリアの言う通りだ。心裡と通信ができない以上、安全な場所を確保する。タケミツと貮型を追うのは、それからでも良いのではないか?』
「……まあ、確かにね、こんなところで命落として帰れなくなるとか嫌だからね……シャリアさん! お願いします!」
「はい! 朝陽様!」
シャリアさんの言葉に甘えた私は、シャリアさんが住んでいるヴェルハラの森の村へ行く事にした。
夜になったら森の中で光の粒が、たくさん現れたんだけど、これって蛍?
後編に続く!
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