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第29.5話 間話 

エルタティアの地下避難壕の秘密、それは……

 

 第29.5 間話 エルタティアの地下避難壕にて



【エルタティア 地下避難壕 15回目の夜刻】



 私は、弥乃葉達がいるエギリスさんが用意してくれた部屋に戻って来た。



「お待たせ! ……あれ? どこに行ったんだろう?」



 エギリスさんが案内してくれた赤煉瓦造りのシャンデリアっぽい灯が灯る部屋には誰もいない。



「えっ? どこに行ったの? シャリアさん! 弥乃葉!」



 ――本当にどこに行ったんだろう?



『あわわ! 弥乃葉さん! 私に向かって何をやっているのですか!』



 部屋の奥からシャリアさんと弥乃葉のはしゃぐ声が聞こえてきた。



『いやー、流石エル……いいや、エクスアリア人のシャリア・エクス・ア・ロッテちゃん! ほんとっーに羨ましい身体してるなー、なんだよー!』



 私は、シャリアさんと弥乃葉のはしゃぎ声が聞こえる部屋の奥へ向かった。



 ガラガラガラガラ!



「シャリアさん! 弥乃葉!」


 ――ん? 湯気? あそこにいるのは……シャリアさん?



「あわわ! 朝陽様、すみません! 弥乃葉さんと部屋の中で待っていたら弥乃葉さんが、温かい泉がある部屋を見つけてですね……」




 ――温かい泉? 温泉? 



「あっ、朝陽! おかえりー『僕は見つけてしまった、これは地の聖なる力を持つドワ……いいや、スレイアアリア人の聖域だ』みたいに部屋の奥にこんな立派な温泉があるんだよ! ほらさ、朝陽も入りなよ! 疲れ取れるからさー!」



 ――全く! 弥乃葉は弥乃……なんて温泉言われたら入るしかないじゃない!



「ユメキリ! 部屋着お願い!」

『朝陽よ。了解した』



【夢鬼理ガジェットから部屋着冬セットを召喚しました!】



 私は、異世界であるファンタジー世界の温泉に浸かっている……



「エクスアリアに来て、ヴェルレストの村では泡のお風呂、それ以降は水浴びしかしてこなかった……まさか温泉があるなんて……」

「ひゃはー! 『朝陽も相変わらずほんっとーに羨ましい身体だぜー! 正義の温泉浸かり士弥乃葉様にも分けてもらいたいぜー!』……なんて、まさか異世界で温泉に浸かれるなんてね』

「そうだねー、弥乃葉。弥乃葉はここに来て良かった? かなり長い旅になるよ、分家所属のタケミツが……」

「朝陽さー、それは言わない言わない。わたしは朝陽の後輩夢斬士として、朝陽の友として、タケミツと同じ趣味持ち人として、全部わたしが考えて決めたことなんだ。家族から反対された時、もしわたしが従っていたら……わたしがこの世界にいることもないし、ファンタジー世界の実物エルフであるシャリアさんと会う事もなかった」

「ありがとう弥乃葉」

「うん! これはわたしが決めたこと。だから夢月弥乃葉はあなたの親友であり、後輩であり、明日を護りし夢斬の武士で『僕は、トラックに轢かれなかった勇者逆召喚でこの世界にいるのか』だからさ」

「弥乃葉さん! トラック? ファンタジー世界? なんですかそれは?」

「えっ? わたしたちの世界の話。シャリアさんの世界には無関係で多分無いものだよ!」

「あわわ……あれっ? なんだか目の前がくらく……」



 バタン! 


「シャリアさん! あっちゃー、のぼせちゃったかー!」

「弥乃葉、一つ聞いても良い?」

「一つ聞きたいこと? 『正義の温泉浸かり士、夢月弥乃葉シェフクイズ王になんでも聞きたまえ!」だよ、朝陽」

「アンタ達、何時間ぐらい温泉に浸かってるの?」

「えっ? 『そりゃ旦那、3時間ぐらいだ。温泉だか――』あれ? 目の前がぐるぐ……」



 バチャーン!



 ――全く、ほんっとーにシャリアさんと弥乃葉なんだから!



「でも久しぶりに身体の疲れが癒やされた感じがする! 待っててメリディさん! 夢斬貮型!」


 のぼせた2人を脱衣場まで運び終えた私は、久しぶりに自分の顔を見た。



「夢宮朝陽。明日を救う力を持つ者、力に溺れることなかれだよ……ん? これは……」


『あれ、朝陽殿達はどこへ行った? まっまさか!』


 ガチャ!


「朝陽殿……その泉に入ったのか?」

「うん! 入ったよ、ダメだった?」

「いいや、この部屋の泉は特殊な泉だから金さえ払ってくれれば良い」

「えっ? エイアスさんもう一回言ってくれる?」

「はぁ……朝陽殿、そこに書いてあるじゃないか」



 私は、エイアスさんが指さした紙を見た。



「えーと、なんで書いてあるの?」

「はぁ……朝陽殿。その注意案内板をユメキリ殿に読んで貰ったらどうだ?」

「分かった……ユメキリ!」



 ――私が読めないスレイアアリア文字……物凄く嫌な予感がするのは気のせいかしら。



『朝陽よ。スレイアアリア文字の解析が完了した」

「ありがとうユメキリ、なんて書いているの?」

『朝陽よ。この泉は、1人1刻あたり500エルタゴルド、エクスアルディアゴルド硬貨換算で……金貨2枚らしい』



 ――つまり日本円でいくらなの?



『朝陽よ。1万円だ』



 ――えっ! 1万円? なんて事してくれたのよ! 全くシャリアさんと弥乃葉なんだから!




 私は、ガジェットからユメペ……ではなく、私の入浴料2枚分とのぼせている腑抜け達の入浴料分と合わせた金貨14枚を取り出した。




「はい、どうぞ! エイアスさん! 金貨14枚!」

「…………確かに金貨14枚だな。朝陽殿、一応言っておくが、異国の地の泉を見つけても無闇に入らないことだな」



 ――あなたに言われなくても分かってますよ!




 金貨の半分をたった数時間で失ってしまったが、疲れは癒やされた様な気がしないでもない。

 知らない土地だからこそ、金に溺れることなかれ……と改めて認識させられた私だった。



 ――あとで絶対! 2人から回収する!



 29.5話 エルタティアの地下避難壕にて 完

 30話へつづく!



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