第26話④
見た目は普通、重さが異常な少女 その4
【東エクスアリア草原 野営ポイント 14回目の夜刻】
私とシャリアさんと弥乃葉、重さが異常なエルタティアの巫女であるメリディさんとカレーを食べている。
カレーを食べながら私達は、エルタティア山の頂に突き刺さっている夢斬貮型について情報共有をしている。
「メリディさん。夢斬貮型の反応が消えた後、エルタティアはどうなったのですか?」
「エルタティアは……エルタティアは、夢斬貮型の反応が無くなった時期を境に、一部の民が変貌を始めました」
「一部の民が変貌……ですか?」
「ええ……私共のスレイアの言葉でもない、エクスアリアの言葉でもない、全く聞いた事のない異国の言葉と異国の知識を突然話し始めたり、他の民に刃を差し向けたりする様になったのです……」
「それはもしかして、夢喰の影響ですか?」
「流石ですね、夢宮朝陽。夢喰とやらの邪なる夢のオーガなるモノの存在は、夢斬貮型から聞いておりましたから」
――夢斬貮型を早く迎えに行ってあげないと……
「でも巫女たる私に宿りし、地の聖なる力だけでは、エルタティアの民を巣食い始めた影を救えない、だからエクスアルディアギルドのフェルレト支部へ……」
「う……う……ハッ! メリディ様、ご無事ですか!」
メリディさんの話の最中、メリディさんが座る暖火の側に寝かせていた、夢喰だった兵士が目を覚ました。
「エイアス・アリディア、メリディは大丈夫です」
私は、夢喰だった兵士エイアス・アリディアさんに夢斬士として確認したいことがある、それは……
「エイアスさん、私達と交戦した時の事を覚えていますか?」
「貴方方と2人と剣を交えた時の記憶? ……そういえば僕は、訳の分からない言葉を確か『ニ……ン? ……ム? ユ……ギ……シ?』と喋って、貴方達2人に対して、危害を加えようと剣を向けた! 本当に申し訳ない!」
「いえいえ、大丈夫ですよ、エイアスさん」
「ふっふ〜ん、『絶品エクスアリアカレー……それは料理人でもあり正義の夢斬士である夢月弥乃葉シェフが作った、エクスアリアの食材で作ったカレーさ…………ニイちゃん、今は黙って食べな』 はいどうぞ!」
弥乃葉がエイアスさんへ渡したのは、温め直された一皿のカレーだった。
――弥乃葉さぁ……ご飯は、どこから出してるのよ!
「エクスアリアカレー? 初めて名を聞く料理だが…………うん、美味しい!」
「わたくしにも戴けますか? 弥乃葉さん」
「はい、どうぞ! 『ド……いいや、スレイアアリアの巫女か……』のメリディさん」
私達は今、異世界ファンタジーの世界エクスアリアで野営設備の暖を囲みながらカレーライスを食べている…………
日本人であり、夢斬士である私と弥乃葉。
ファンタジー世界でいうエルフ! であるエクスアリア人の夢斬士であるシャリアさん。
スレイアアリアという地の聖なる力を操るとされる巫女メリディさんとメリディさんの護衛兵士エイアスさん。
本来、日本人である私達は異物なのに、何故カレーライスを食べている。
1秒の今を私は、夢でもなく現実として生きていると改めて実感しているのだ。
しかし弥乃葉の夢羅鬼理ガジェットに、アイテムボックスという一番付けてはいけない機能の夢斬ガジェットの製造承認したのは、夢宮コンツェルンだ。
――弥乃葉も心裡もファンタジーアニメの見過ぎだ!
『朝陽よ。我の分体である夢斬参型が、朝陽と我と夢覚市へ無事帰還できる様に、弥乃葉と心裡に根負けして、気合を入れて夢羅鬼理を創ってしまったそうだ』
「そ……そうなの? ユメキリ?」
『左様だ、我でもある夢鬼理ガジェットの中に、夢斬参型からメッセージが直接届けられていたからな』
「合点承知しちゃう夢斬参型らしいね……ハァ」
『どうした? 朝陽よ』
――このまま私達が夢鬼理ネットワークを完成させて、タケミツの件も解決させて夢覚市へ帰っても、エクスアリアの地に名前が残ってしまうな……って思ってね。
『朝陽よ、それは我達と対をなす明日を奪う彼奴等夢喰と夢斬士である夢宮の一族がこの世界に介入してしまった結果だ』
――分かってる、分かってるよ……
『朝陽よ、我と朝陽の約束はなんだ?』
――私とユメキリの約束は、明日を奪う夢喰から人の明日を護り続ける事! 十数年前から始まった約束!
『左様だ、朝陽よ。朝陽と我は、合わせ鏡ではなく、朝陽、ユメキリはユメキリである。だが万が一の時は、その時は…………を使う、良いな?』
――ハァ……そうならない様に頑張るよ! ユメキリ。
『朝陽よ、我はお前が明日を迎えるのであれば、何でもする。あの時から今もこれからも』
――ありがとう! ユメキリ。
『朝陽よ、礼には及ばん』
私とユメキリの約束。
私に命の危機が訪れた時、私はその時……
夢宮朝陽ではなく、夢鬼理朝陽と化す……。
第26話
見た目は普通、重さが異常な少女 その4 完。
第27話へ続く!
最後までお読みいただきありがとうございました。




