↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/44

第25話

 第25話 見た目は普通、重さが異常な少女:3


【東エクスアリア草原 岩場野営ポイント周辺 14.7回目】


 ――やっと近くまで戻って来る事ができた、でも……。



「ごめん、弥乃葉(ヤノハ)。あとお願い!」


「えっ? ……ちょっと朝陽ー!」



 ――シャリアさんが心配! 弥乃葉、ごめん!



 ◇岩場野営ポイント◇


「はぁはぁ……シャ、シャリアさん!」


「あっ! 朝陽様、ご無事で何よりです、でも……」


「どうしたの?」


「そ、それは……あちらを見ていただければ……」



 ――ん? さっき倒れたぼろぼろの女の子? 鍋を持ち上げてカレーを食べてる……。



「や、弥乃葉さんがエクスアリアのかれーらいすー……、シャリア達が食べるはずのエクスアリアのかれーらいすが――」


「ふー! この料理、あの料理と似ていて非常に美味ですわね!」



 ――あれだけ鍋に大量に入っていたカレーを食べちゃうなんて……この子、何者なの……、ん?

 


《「よいっしょっと! シャリアさんが心配なのは、もちろん分かるけど! まったく朝陽は朝陽なんだから! ……そんなことよりー!」》



 ――まずいわね……、最悪なタイミングで弥乃葉が戻って来てしまったわ……。



「シャリアさん、朝陽、お待たせー! 『正義の異世界料理に……』ゆめつ……、ああー! 絶品エクスアリアカレーが無い!」


「ほほー、其方がこの美味な料理を作った料理士なのですね、非常に美味でしたわよ!」


「なーにが非常に美味でしたわよー、だよ! わたしの絶品エクスアリアカレーを……、なーんて言う訳ないじゃん! 夢羅鬼理!」


『御意、予備用絶品エクスアリアカレーを温め直す、なり……』



 ――なんで夢羅鬼理がカレーを温め直せるのよ、しかも予備ってどういうことよ。



「ちょっと、弥乃葉! アンタ、心裡と参型に一体何を吹き込んだのよ!」


「えっ? 何の話? もしかしてー『正義のキャンパー夢斬料理人たる夢月弥乃葉シェフが持ってる神具である』この夢羅鬼理君のこと?」


「ええ、そうよ。予備用エクスアリアカレーを温め直す機能なんて、参型がガジェット開発空間で武装練想する時しか仕込めないもの」



「なぬ……やっぱりバレたかー! 実はー! 参型さんにお願いしてー、アイテムボックス機能をほーんの少しだけ正義のキャンパー夢斬料理人シェフ仕様に変えてもらったのだー! アッハッハー!」



 ――何がシェフ仕様に変えてもらった、アッハッハー、よ!

 まったく、弥乃葉は見えない所でも弥乃葉なんだから!



「はぁ……、まぁそのガジェットがあったから、岩場の隅で眠ってる騎士の明日を救えたし」


「そうそう! だからその子の分もカレーもあるからもうちょっと待ってて!」



 ◇しばらく後……◇



《グツグツ! グツグツ! グツグツ!》

 

「ご、ごめんさない! あの場所から逃げた先の森を彷徨う中、この料理の匂いが森の中まで漂ってきて、つい……」


 ――あの場所から逃げた先が森? 近くに何かあるのかな……、まあでも弥乃葉の作ったカレーが、まさかこの子の明日を護る事になるなんてね。



「大丈夫、あの子の料理はまだあるから」


「はい……えっ? あなたはヒューマアリアなのに、なぜスレイアアリアの民の言葉を知っているのでしょう?」


『それは我が其方達が使うスレイアアリアの言葉を理解できる様にしたからだ』


「えっ? あの白き光を失いし罵倒神の守護剣と類似した白き聖なる力を感じますわ……、あなたのその髪飾りから」



 ――白き光を失いし罵倒神の守護剣? それと髪留め姿の夢鬼理を見抜くなんて、この子は何者なの……。



「白き光を失いし罵倒神の守護剣? あなたは一体、何者ですか?」


「あっ! 急におかしな事を言われましても困りますわね……、とりあえずメリディとだけ名乗っておきます」


「えーと……メリディさんですね。私は夢宮朝陽〈ユメミヤ・アサヒ〉、エクスアルディアギルド特夢位冒険者です」


「ふむふむ。あなたがユメミヤアサヒですか……、あのエルタティアの霊峰に突き刺さりし、白き光を失いし罵倒神の守護剣の主人ですわね」



 ――ん? 陰楼さんと初めて会った時と同じ感覚、まるで私のことを知っているような感じ……、白き光を失いし罵倒神…………、もしかして!



「先程からメリディさんが仰っている『白き光を失いし罵倒の守護剣』は、自分の言葉を放つ剣で、自分の事を夢斬貮型と名乗る剣ではないですか?」


「そうですわ……やはりあなたがあの罵倒神の守護剣の持ち主……」


「はい、それで白き光を失った夢斬貮型とはどういうことですか?」


「それは……」



 ――ん? どうしたんだろう? 何かまずいことでも言っちゃったかな……。



『メリディよ。我、夢鬼理の分体である夢斬貮型はどこにいるのだ、エルタティアの頂か?』


「ふむふむ、あなたはユメキリという名なのですね。罵倒神の守護剣をアサヒと造りしもう一つの主人……」


『左様だ、メリディよ。我が送る合図に夢斬貮型が反応せぬ、もしや力尽きたのではないか?』


「やはりそうでしたか……、それならば三百三十六刻前、地然の都エルタティアに住むスレイアアリアの民達に起きた異変と合点が行きますわね……」



 ――ん? 三百三十六時間前? 私がこの世界へ渡った日……、それとエルタティアの住人達に何が起きたのかしら……、嫌な予感がする。



 第25話 見た目は普通、重さが異常な少女:3 完。


 第26話へつづく!

*2026年9月26日(土) 一部内容の改訂を行いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。