第24話
第24話 見た目は普通、重さが異常な少女:2
【東エクスアリア草原の森 入口周辺 14.5回目の夜刻】
――声が聴こえてきた方角は、この辺りからだったはず……。
「朝陽、あれ、あれ見て」
「あれ? ……あれは!」
――冒険者が纏ってる鎧じゃなくて騎士みたいな鎧とメイル……、だけどあれは……。
「どうみても夢喰に呑み込まれた眼玉だらけ鎧騎士じゃん、さっさと滅した方が早くない?」
「ダメ、まだ分からないでしょ」
「りょーかい……あっ! あの眼玉と目が合っちゃった……」
――はっ? こんな時でも弥乃葉は弥乃葉なんだから! ……こちらに向かってくる!
「おやぁ、こんな夜中に《『ヒューマ……』》日本人《『アリアが二人……』》がいるなんて……《『逃げてください!』》あれ? まさか、お前達は!」
――かなり侵蝕が進んでる……、でもまだ呑み込まれていない!
「大丈夫、あなたを救うから! やるよ、弥乃葉!」
【夢宮朝陽が夢鬼理夢斬士刀を装備しました!】
「りょーかい! 夢羅鬼理!」
『御意、夢羅鬼理ブレードモード移行なり』
――外なら夢羅鬼理の振動もあまり無いわね。
「なるほど……《『俺はあの方……』》でもこの場は夢覚市ではない……《『早く…メリデ……』》 チッ、 お前はしぶといな! まっ、とりあえずお前達を殺めてやるよ!」
――まだ夢喰に抗ってる、これならまだ間に合う!
「来るよ、弥乃葉!」
「はいはいー、バトルスタート!」
【夢喰ブラッディナイトメア型と交戦を開始しました!】
「巫女メリディちゃんを何処へやった!」
――よっと! いきなり首を狙ってきた!
「そんな剣の振り方ではー、正義の夢斬士の首を殺めれませんなー! ふん、夢羅祓滅斬!」
「グハッァ! おのれ……夢斬士! 何処へやった! 何処へやった! 巫女メリディちゃんを何処へ――」
「セイッ! 夢鬼理明想斬!」
「グハッァ! おのれ……夢斬士! 巫女メリディちゃんを……」
――巫女メリディちゃん? もしかして!
「何処へやった! 巫女メリディちゃんを殺めそこなったじゃないか! 邪魔をするな夢斬士が!」
――今度は二刀流で首を狙ってきた……でも!
「邪魔なのは、この人の明日を奪っているアンタだよ! 夢鬼理明想斬!」
「アァァァァァ! いでよ! 巫女メリディちゃんを殺め隊!」
――ん? 殺めたいとあやめ隊……ヤバっ!
「ちょっとさー! 正義の夢斬士たるわたし達と交戦してる時に、そんなふざけた名前の雑魚二十体、いきなり召喚されても困るんだけどー!」
「ウルセェ! メリディちゃんを殺め隊! アイツらの首を殺めてやれー!」
――チッ! こんな数、二人でどうしろって……、でも方法が何かあるはずよ。
「朝陽、ここはわたしがやるよ! ふん!」
「えっ? アンタ、何をするつもり? セイッ!」
「勿論、正義の夢斬士たる夢月弥乃葉として、こうするんだよ! 夢羅鬼理チャァージ!」
『バリバリはユラバリバリド也……夢バリバリチャバリバリを開バリバリるナリ!』
――ん? 想いの力のチャージ式? でもバリバリバリバリうるさい!
「チッ! 殺めた隊、目の前にいる茶毛は隙だらけだぞ! 早く首を殺めてコイッ!」
《『メリディメリディメリディメリディ殺めたいメリディメリディメリディ殺めたいメリディメリディメリディ殺めたい』》
「はい、チャージ完了!」
――あれ? バリバリが聴こえなくなった? ん? 周りの音も聴こえない?
『朝陽よ、耳を塞ぐぞ』
「ありがとう、夢鬼理」
――何が起きるというの? 嫌な予感しかしない……。
「これが、明日を救う正義の夢斬士、夢月弥乃葉の明日を救う想い!」
『俺は夢羅鬼理ブレードナリ! 主人弥乃葉と俺の必殺技は、デザバリバリトバリバリシュ!(デザイアストレートスラッシュ)!』
――はっ? 耳を塞いでいても、バリバリバリバリってうるさすぎる!
《『メリディメリ――』》
――目の前にいたあれだけの敵数を赤い斬撃波で殲滅するなんて……、有り得なさすぎ!
「はぁはぁ朝陽! そ、その人が、さ、最後だよ!」
【夢喰ブラッディナイトメア型を討滅、夢領域ゲート封鎖完了!】
「えっ? あー、今弥乃葉が放った斬撃で、一緒に討滅ができたみたいよ」
「ふぅー、なら良かった……、どうだー!『これが正義の夢斬士の新たなる世界での初陣とお見事勝利なり!』はぁ……疲れたー」
「ありがとう、弥乃葉。色々と言いたい事もあるけれど……この人を野営地に連れて行くよ」
「えー危ないでしょ、何を考えてるの?」
『弥乃葉よ。先のお前の技により、この者の夢領域ゲートは、無事に閉じられたのだ』
「そうなの? そう言われて見ればー、……さっきの『数多なる人の生命を吸いし、血塗られた黒騎士の邪剣であった』みたいな剣が消えてますね」
「そう。だからこの人を置き去りにして帰ったら、アンタがこの人の明日を救った意味が無くなるから」
「はいはい、分かりましたよー、じゃあこっちの方を持つよ」
「じゃあ、気をつけながら野営地へ帰るよ」
《「あわわわ! 何をしているのですか、お辞めなさい!」》
――ん? シャリアさん? 早く野営地に戻らないと!
第24話 見た目は普通、重さが異常な少女 :2
第25話へつづく!
*2026年9月23日(水) 一部内容の改訂を行いました。




