45 ギルドのヤバイ奴 別視点
宜しくお願い致します
最近、査定所にヤバイ新人が入った。名を詩織。マスタージローを彷彿とさせる名前通り、異世界人らしい。マスターが信頼しているくらいには。有能で査定は正確。子供にとても優しい、と。コレだけなら優良物件なのだが、最近、ヤバイ奴だと判明した。どうやら、この国の王子に喧嘩を売っているらしい。衛兵がギルドから出るのを見張っているのだ。そして、この女、消えるのだ。そして、気付いたら従魔を沢山従えていた。
「次の方、どうぞ~」
「よ、宜しく」
「はい…。ふむ、スモールラットですか…。スラムの下水ですか?」
「あ、ああ、そうだ」
「…お一人で?」
「…なんだよ?」
「いえ、アレに噛まれると病気になる場合がありますので。気を付けて下さいね。銅貨5枚です」
「お、おう」
「ご利用ありがとうございました」
…チッ、読まれてたぜ。一人じゃなくて3人で袋叩きだったんだ。…そういえば、バリーが噛まれてたな…。まぁ、大丈夫だろ。
闇ギルドに手配されてるアイツを狙ってるのは俺だけじゃない。他の奴はガキを人質にって考えてる奴もいる。最近は熊野郎が守ってて、狙おうもんなら腕をもがれた奴がいるとか。誰がB級の上位に喧嘩なんて売るかよ。
「女はまだか?」
「ギルドから出ないと狙えねぇよ」
「無理矢理引っ張ってこいや」
「ジローに殺されたくねぇな。テメェでやれよ」
あの女の近くには確実に護衛がいる。熊野郎か、ジロー。最近じゃ、従魔も侍らせてる。ギルドから出れば行けるのに。どんだけ仕事好きなんだよ…。
「あの女をおびき寄せる策がいるなぁ…」
「何か思いついたか?ライリー」
「アイツ、廃品回収が趣味らしいじゃねえか。それなら、いろんな物が流れる下水にご招待しようじゃねぇか。なあ?」
「…それなら、依頼で出してみるか」
スモールラットが増えてきたから、俺達だけじゃ、奥に行けなくなったからな。一石二鳥って言うんだろ?異世界人。熊野郎もそこで始末だ。
「…それなら、他の冒険者に頼みな」
「出来れば廃品回収もして欲しいんです」
「…私が行きましょう」
「…いいのか?」
「ええ。鼠害は危険ですし。それに、頼れる味方が居ますから」
掛かったっ!後は人を集めるだけだ。
「早速行きましょうか」
「うえっ、し、仕事はいいのか?」
「ええ。…ですね?ギルマス」
「おう。行ってこい、行ってこい、楽しんでこい」
「…ふふっ。ええ、楽しみますね」
「…?」
なんだよ。そんなに楽しみかよ。下水だぞ。しかも、ガキンチョ共も熊野郎も全員だ。頭イカレてるだろ。
「コチラは初めて来ましたね。とても良い経験です。ね?」
「うんっ、ゴミをもってくればいいだけでしょっ?」
「ごみっ」
「ええ。私が根刮ぎ貰いますよ~」
脳天気に会話しやがって。…しかし、どうやって仲間を呼んだらいいんだ…。…なんだよ、見るな、ウサギ共がっ。
「そ、そのウサギ達は従魔なのか?」
「ええ。私の肩の子たちもですね。後はリリー」
「はいっ」
「不安かもしれませんが、敵は排除しますから、ご心配なく」
「そ、そうか」
…両肩の芋虫もかよ。しかも、見たことねぇぞ。あんな赤。
「ここがそうだ。俺の案内はここまでだから、後は頑張ってくれ」
「ええ。…皆さん、始めますよ~」
「「「おーっ!」」」
急いで仲間を呼びに行かねぇとなぁ!
「…ふふっ」
それは、そう。




