32 子供達
宜しくお願い致します(*´∀`*)ノ
「王子が森で襲われた?…誰にだ」
「…そ、それは、い、言えぬ」
「言えないで、どうしてギルドの責任なんだ、ああ?」
「…う」
「…う?」
「…ウサギにやられたのだ」
「…あ~。なんか、すまん。…キラーラビットか?」
「ああ」
「流石に森にギルドの護衛無しで行って怪我を負われても俺達は何もしないぞ?」
「…分かっている。…酒をくれ」
「…おう」
…お昼ごはんを食べながら聞いてましたけど、自業自得なだけでは?近衛さんが可哀想なほど嗚咽しながら酒を呑むのはなんとも言えない虚しさですけども。まぁ、大変な上司にあたるエリートサラリーマンの図に近いですね。
「どうぞ」
「ぐすっ、コレは?」
「サービスです。ウサギ肉の香草焼きです。お酒のお供にどうぞ」
「詩織、俺にもくれ」
「銅貨2枚です」
「うぐっ、ほらよ」
昼間から呑んでるマスターにあげる物なんてありません。お金はもちろん取りますとも。
「うっま!」
「なに?!し、詩織さん、早くくれ~」
はぁ。私は料理人ではないんですけどね。
「料理長、厨房をまたお借りしますね」
「おうっ、勉強になるぜ!」
おかしいですね?異世界の食で発展していったと聞いたのに、香草のブレンドすらしていないとは。…脂のどぎついお肉は香草焼きです。煮込みも可。ウサギ肉ならば、そこまでクドくないと思うので、擦り込む程度。
「ほぉ~、草でも使い様なのか…」
「ええ。このオリジナルブレンドは差し上げますので、研究にでもどうぞ」
「良いのか?」
「ええ。食文化は大衆に広めてこそ、価値があるとおもうので」
「かぁー!、アンタ、マジで女神だよっ」
美味しいものは皆で食べるもの。広まってないのは上位層が独占とか、ですかねぇ。
「お待たせしました、こちらがウサギ肉の香草焼きです」
「待ってましたーッ」
「ところで、マスター、ウサギ狩りは如何するんです?」
「あ。…し、詩織さん、ウサギ狩りとかどうっすか?」
「…私、その人に狙われてるんですが?」
「暫くは殿下もへこんでいるので大丈夫だ、私は何も見ていない」
…それで良いのか、近衛兵よ。
「まぁ、ダルトンもいるから、ウサギ図鑑でも埋めてきたらどうだ?」
「ふむ。確かに、頼れる森の案内人がいるなら、行っても良いかも?」
ウサギの図鑑でも召喚可能なのか?そもそも言うことは伝わるのか?気になりますね。
私が倒したら、素材はまるまる。クソ王子もガチへこみとならば、動くのは今。
「こんにちはっ、薬草持ってきました!」
「こんちゃっ」
「…」
おっと、お客様です。査定所に行きましょう。
「お姉ちゃん、色々持ってきたよっ!」
「きたおっ」
「はい、確認しますね~。…ふむ、ナナイ草とザザ草は定番ですね~。あら、コレは…、コレを何処で取りましたか?」
〈ナナイ草を吸収。図鑑を更新。46%。〉
〈ザザ草を吸収。図鑑に蓄えます。〉
ナナイ草とザザ草は吸収してしまいます。私しか買わないので。問題はこの草です。
「いつもの森よ?」
「よ?」
「この草はですね、トリトリ草と言って、猛毒なんです。採取したのは誰ですか?」
「ぐすっ」
「…わ、わたしよっ」
「あ、怒ってる訳ではないですよ~っ、手をちゃんと洗わないと死んでしまうかもしれないですからね?」
「マナ、洗いに行くよっ」
「う~」
採取した手で物を食べたら危険ですからね。コレは吸収します。
〈トリトリ草を吸収。図鑑に登録。6%。〉
ふむ。珍しいだけあってなかなかですね。他の草も見てしまいますか。ナナイ草、ザザ草、オゲ草、ミキリ草、アカ草、後はナオナ草ですね。…ふむ、トリトリ草の分をどうするべきか?ですねぇ。ナオナ草以外は吸収です。
〈ナナイ草を吸収。図鑑を更新。47%。〉
〈ザザ草を吸収。図鑑に蓄えます。〉
〈オゲ草を吸収。図鑑を更新。6%。〉
〈ミキリ草を吸収。図鑑に登録。2%。〉
〈アカ草を吸収。図鑑を更新。4%〉
うむ。綺麗さっぱりです。…ちょうど戻ってきましたね。
「お姉ちゃん、いくらになる?」
「なぅ?」
「かなり怖い毒草ですが、悪い所に売ると、かなりの額になるんです。なので、う~ん。お姉さんと森に行ってくれるならば、銀貨2枚あげますよ~」
「…いいの?」
「ええ、クマさんも来てくれます。ね?」
「おう。任せろ」
「…お姉ちゃん、ありがとうっ」
「あいあとっ」
「…ありがとう」
「いえいえ。良い取引でしたよ。そうだ、ご飯は食べましたか?」
「まだよ?」
「よ?」
ミーナちゃんに銅貨6枚渡します。
「一人2枚ずつでごはんを食べてから森に行きましょうね」
「「うんっ」」
「…」
「はぁ、ガキ共にはゲロ甘なんだよなぁ…」
「まるで聖母のようだな…」
「基本的に優しい奴さ。対応を間違えたな」
「…違いない。すまん、おかわりだ」
「おう、呑め呑め」
上司ってガチャみたいですよね。




