23 ゴブリン
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どうやら、ゴブリンを12匹倒した冒険者の青年はCランクの実力持ちだった模様です。新人みたいに見えたのは、久しぶりにこっちに来たら、査定所に見知らぬチビがいて、緊張していたとか。…人見知りなのでソロで頑張っていたら実力が付いたらしいです。よく今まで生きて来られましたね。
「と言うか、マスター、知り合いですよね」
「後ろ姿で分かるかよ。足音立てずに来やがって。クロウ、上位種はいたか?」
「い、いえ、ただのゴブリンだけでした」
クロウさんと言う名前なんですね。苦労性のクロウ…。
「…ふッ」
「…あぶれた個体か…。武器は?」
「棍棒持ちが2匹だけです」
…丸腰の10匹はせめて落ちてる石を使うとかの頭はないのでしょうか。…まだ会った事がないですが、おバカなのは確定ですかね。
「勇者にご依頼しては?」
「確定情報じゃないとキツイな…。ホブゴブリンが居れば確定なんだが」
「偵察の依頼でも出しますか?」
「森に明るいクマがそこで酒呑んでる」
「……他の冒険者は?」
「このギルドは西と違って実力派が少ねぇんだよな…。しかも、国のきな臭さを感じて南か東にいっちまいやがった」
つまりは国の所為だと。
何となく分かっていましたが、平原に囲まれた平和?な国(王族はクズ)はギルドにとっては過疎地ですよね…。西の砦町が一番人気なのも頷けます。来るのも、使えないゴネ男か、新人さんかおチビちゃん達ですし。…何故クマはここに居るのか。
「もう、この際なのでマスターが行ったらどうです?」
「俺も呑んでるんだが」
「酔っていても強い達人も世の中には居るハズです」
「それはお前の世界の不思議人間だろうが…」
「あ、あの〜、僕が見てきましょうか?」
「よくぞ言ってくれたっ!、そうか、そうか、行ってくれるかっ!頼んだぞ、クロウ!」
「…はぁ。気を付けて行って下さいね?」
「…っ、はいっ」
…お客様が来るまで、今のうちにナル図鑑を読んでしまいましょう。
ーパラ…。
ナルと言う木は比較的扱いやすく、広く分布している。この木は庶民向けの木にして、家具や薪、様々な用途に利用される。樹皮もよく燃え、葉も乾燥させると油分があり、よく燃える。…杉に近い木ですかねぇ。
ーパラ…。
偶に、異様に高いナルが育つ時がある。そのナルは木の中心部に宝珠を蓄え、金のナルの玉と言われマニアから莫大な取引になる事もある…。
ーパラ…。
図解ですね。…見るからに杉です。広葉樹でしたね。…その中心部ですか。建材、薪、と何でもなるなる、ナルの木ですね。
ーパラ…。
蓄えたナルの木材が載ってますね、…合成、破棄が可能…。ふむ、数が足りませんか。
ーパタン…。
<スキル、[木工Lv1]を獲得。体力+3。>
ほう、流石木の本ですね。あると便利です。
しかし、斥候すらいないなんて過疎り過ぎでしょう。コレも国が腐ってきてる証明なのか。
「詩織も逃げるなら南か東だぜ?」
「う〜ん…、西の魔族領に興味があるんですよね〜」
「やめとけやめとけ、あそこは人間に優しくねぇぞ、勇者のお供として見られたら、狙われるのはお前だぜ?」
「むぅ…。和名が足を引っ張りますか…。南は異端扱いされそうですし、やはり東か…」
しかし、一度あのクソ王子に蹴りを入れてからにしないと私の気が治りませんねぇ。襲われたのもアイツの所為でしょうし、自由に動けないのもです。
「それも、ゴブリンの件と勇者の件が終わってからですね」
最悪、おチビちゃん達は図書室に匿って移動する方法もあります。ここの生活が耐えれれば1番ですが、孤児院がちゃんと機能していれば、マナちゃんの様な年齢の子まで働かせるなんてしないハズ…。それなら引き取るのも手です。私の能力は私1人の冒険より、図書室を回して他者に恩恵を与えれば与えるほど、私も強くなるウィンウィンの性能です。お金も必要ですが、図書室さえあればナントカなりますし。
「…あの子達と相談してから、ですね」
「…も、戻りましたっ!」
「早っ、え?、1時間も経ってませんよ」
「流石、[韋駄天]持ちだな、…どうだった?」
「北の森の少し西方に集落を発見しました」
韋駄天?足早ナールみたいな感じですかね。
「…数は?」
「恐らく100以上は」
「ただのゴブリンで100なら不味いな…。奥に本元がいるかもしれん」
それが分かるなら、話は早そうではありますね。
「勇者に頼んでみましょうか?」
「呼んだ?。」
「…ッ、脅かさないで下さい」
最近、転移魔法を覚えたらしい、賢者殿が真後ろからウィスパーボイスで来ました。何故か私の後ろに来ます。何故か!
座敷童子は幸運を呼ぶらしい。=




