↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/36

ピータの才能



「さっきのギター凄かったな!」


パブで酒を飲みながら。

俺はギークに言った。


「フリート・ウッドマックの…グリーン・マナリシを聞いたんだ!」


グリーン・マナリシは英国のブルーズバンド、フリート・ウッドマックの1番新しい録音曲だ。


「ぶっとんだよ!」


フリート・ウッドマックのギタリスト、ピーターグリーンは、世間から緑神と崇められる。ブルースギターの名手だ。


おそらく、白人のブルースギタリストの中では、最高位に位置する存在。


60年代から、ブルースとラテンのリズムを融合させたり。とにかく革新的なアーティストでもあった。


アメリカと、本国イギリスでは、マックのアルバムは、ビートルズのアルバムの売り上げを凌いでいた。


しかし、ピーターグリーンは、ドラッグの過剰接種と、精神を病んでいた事もあり。マック全盛期に引退。


音楽の世界から姿を消した。


ギークがぶっばされた。

グリーン・マナリシ。


彼が最後に録音した楽曲であり。

それは既にブルースではなかった。


イントロから疾走する。リズムとリフ。相反するような、狂気に満ちたボーカル。楽曲の暗いうねり。


叩きつけるように弾かれるギター、

あまりに衝撃的だった。


「俺はひどくあの曲が耳について」


「さっきお前が弾いた曲は」


「あの曲のリズムから…ヒントを得た。まるで、軍隊が行進する時の靴音みたいだろ?」


ダダ!ダッダッダッ!


まさにそんな感じだ。


「すごく気にいったよ!」


「あの曲には…インスピレーションを感じさせる。何かがあるんだ!でも…」


俺たちのバンド。


暗礁に乗り上げてしまった。


ピーター・グリーンの置き土産。


今後の俺たちのバンドにとって、

重大なヒントが隠されていた。


ギークのプレイスタイルにもだ。


しかしダウンジング・ボーイズは、足元の金脈を見つける事が出来ず。


解散する事となった。


「ギーク!フアッキン•チェスター!」


パブのカウンターで飲んでいると、

背中越しに声をかけて来るやつ。


それは屈託のない明るい声だった。


「ロブか!元気だったか?」


ギークは振り向いて答えた。


「ぼちぼちだ」


「ロブ、こいつはマッドマ」


「本名でいい!」


「ピーター・クロスだ」


ギークに紹介されたロブ。まるで、ギリシャ神話に登場する神々の1人。そんな表現が大袈裟なら。


舞台から飛び出してきたロミオ。


とにかく美しい顔をした男だった。


「こいつはロバート・プラント。以前バンド・オブ・ジョイで歌ってた」


「見た事あるよ」


俺はギークと親しげに笑みを交わす。その青年の顔を知っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。