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17.スパイダーマンのスニーカー



今日は、仕事が終わったら品川に行く。

昨日、連絡があって海斗と待ち合わせした。


早めに行って、あの階段がまだあるのか

確かめてみたいと思ってる。


電車に乗ったその朝もまた、考えていた。


海斗に出会ってからは

いつもこうなってしまう。


タキガワくんのことと、海斗のことと、

ひざ枕のことをずっと考えていた。


ひざ枕への憧れを出会ったばかりの

私に話した海斗・・・。


その話しを聞いて、

もう遠くなってしまったあの頃を、

あの疑問を思い出している私。


これまでの私は手をつないだり、

ひざ枕をしたりというのは 


恋をしているふたりの

ステップのひとつと

考えていた・・・。


だけど、タキガワくんは、

それとは少し違うみたいだった。


でも、そんなふうにされたら、

こちらの気持ちは微妙に変わってしまう。


あの頃、私は自分の気持ちが

変わってしまわないように気をつけていた。


人と関わるのが怖かったから・・・。


・・・・・。


海斗は、頑張り続けてきて、

少し休みたいのかもしれない。


誰かのひざにゴロンとして、

ただ、休みたいんだ。


また、頑張れるように・・・。


・・・・。  


もしかして、タキガワくんも同じだったの?


海斗と同じ気持ち?


そう考えついた。


私は、たった今、やっとたどり着いた

自分のこの考えをを確かめたかった。


タキガワくん? 

もしかしたら、

旅立つ前に説明してくれるために 

海斗に会わせたの?


私が、考えつくようにこうしてるのね? 


全部タキガワくんが

仕向けたことなんでしょう?


もしそうなら

私にそうだとわかるようにして。


私は目を閉じた。 


心の中で強く語りかけた。 


そしてタキガワくんを想った。



新宿に着いて、電車を乗り換えるために

目を開けた。 


ドアのほうを見た。


視線の先には真っ赤なスニーカーがあった。


見知らぬ人があの赤に黒のラインの

スパイダーマンのスニーカーを履いて

立っていた。


タキガワくん・・・。


改札を通り抜けながら彼にに話しかけた。


それにしてもすごいね。  


こんなことが出来るなんてすごいよ。


やっぱりそうだったんだね。  


そうだと思ってたよ。 


返事はないけど、


いたずらっぽく笑ってる彼の顔が

心に浮かんでた。


私の疑問の答えは見つかったけど


空回りだったのか。



仕事を終えて品川に向かった。

もう、海斗に対して警戒心はなかった。


(つづく)


【19話の完結まで、あと2話】

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