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鍋侍と、弟子たち〜戦う前に、飯を食え〜  作者: now here man
エピローグ01

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秋風。

秋の涼しい風が、鍋蔵の頬を撫でる。

雲長の墓前。

技王と、縄で縛られた子龍。


子龍は顔を上げることができず、ただ俯いている。


あの戦の後、子龍は投降した。

望みは兵たちの身の安全だけ。

佐之助は、ただ頷くだけだった。


「父にも等しい男を殺した。俺の首を刎ねろ。」

その言葉には佐之助は首を振る。

「お前は、今から償うために生きていけ。」

佐之助の言葉に項垂れる子龍。


都軍は技王の国を併せ、その兵力を持って雷国の侵攻軍を一掃。

この国は、しばしの平安を取り戻した。


「子龍、これからは雲長の代わりに俺を支えてくれ。」

その言葉に、子龍は涙する。


鍋蔵は、二人の様子を少し離れて見守る。

雲長が、この二人を見守ってくれるだろう。


優しい風がすすきを揺らしていた。


佐之助は、相変わらず忙しい日々を過ごしている。

泰山の右腕として、国全体を見る役割だ。

特に今は技王の国をどう扱うか。

慎重な判断が必要な時期だ。


「そろそろ俺一人では限界だな。」

最近では、見どころのある若い兵を連れて仕事の様子を見せている。

佐之助の代わりができる優秀な若者は、何人いても困らない。

「あいつがいればな…。」

出かかった言葉を佐之助は飲み込む。

済んだことだ。考えるのはやめよう。

さて、今日こそは早く帰って、子供とご飯でも食べよう。

佐之助は、気持ちを切り替えて、書類の山に向かい合う。


雲海は、泰山の屋敷で池の鯉を眺めている。

「お前、いつまでここにいるつもりだ?」

泰山の言葉に雲海は振り向く。

「冷たい奴じゃな。もっと兄を敬え。」

泰山は笑う。

「色々めんどくさくなって逃げた男が何を言っておる。」

泰山はため息をつく。

「お陰で、面倒臭いことは全て俺だ。国だの家だの政治だの。」

「お前は俺より優秀だからな。上手くやってくれ。」

泰山は、何をやっても兄に敵わなかった子供の頃を思い出す。

「陰で色々やってくれていることは知っておる。この前の貸しは無かったことにしてやる。」

吐き出すような泰山の言葉に、雲海は大笑いする。

静かな水面を揺らすように鯉が一匹跳ねた。


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