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鍋侍と、弟子たち〜戦う前に、飯を食え〜  作者: now here man
第七章 最終章

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夕暮れの帰り道。

小太朗は、寺子屋へと向かう。

鍋蔵が療養のために温泉入っている間、技王の計らいで寺子屋で学ばせてもらうことになった。


歳の頃もまちまちの子供たちに囲まれ、白髪混じりの先生の話を聞く。

字の練習をする。

算盤で計算をする。

周りの子供達と自分を比べて、出来ること、出来ないことがわかった。

もっと綺麗な字を書きたい。

もっと早く計算したい。


今まで、桜が教えてくれていたことだが、周りに仲間がいることで、小太朗はさらに熱心に学ぶことができるようになった。


寺子屋が終わった後の時間も新鮮だった。

友達と日が暮れるまで遊ぶ。


鬼ごっこで転び、皆に笑われる。

小太朗もつられて笑う。


そんな当たり前のことすら、今までの自分には無かったことに気がついた。


日暮れどきに迎えに来た桜と、技王の屋敷へ帰る。

そんな穏やかな時間が、小太朗は好きになっていた。


夕闇の中、今日の出来事を桜に話す。

桜もその日の出来事、出会った人や学んだことを話す。


夕暮れの涼しい風が吹く。

こんな日がずっと続けばいいのにと小太朗は思った。


「おい、待ってくれ!」

大声で呼びかける声に二人は振り返る。


視線の先には岩之助。

小太朗と桜は緊張を解く。

「何か用ですか?勘三郎さん!」

「もはや、一文字もあってねえじゃねえか!」

岩之助は大笑いする。


桜は少し嫌そうな顔をしながら岩之助を見る。

「何か用?おっさんはまだ温泉から帰ってきてないけど。」

「…そうか。残念だがわかった。どうせ今の俺ではまだ勝てない。」

桜は歩きながら、技王の国に来てからのことをかいつまんで岩之助に説明する。


岩之助は、黙って一部始終聞いている。

その様子を見て、小太朗は『この人もなんとなく大人になったなぁ。』と思ったが口に出すのはやめた。


岩之助は桜と小太朗を技王の屋敷へ送り届け、自分の宿へと向かう。

「まさか、本当に会えるとは。心臓が飛び出るかと思った。」

岩之助は、はやる胸を抑え不審なほど慎重な足取りで歩き出した。

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