52 マサル峠を越えて_26
* *
「えっ!? 刀狩って何?」
シルファー団長は眉間に皺を寄せて、若干怪訝そうにお訊ねになられた。
団長は、ファイルド国きっての美貌の持ち主だ。
そんな彼女が、顔を曇らせて私に率直に訊かれるのだから、……。
こちらとしても、胃にグッと力が入るってもんだよ。
「そうですねぇ、……。我々ファイルド国が提唱する善隣外交、それに邪魔になりそうな武器、兵器は、この際全部回収してしまおうっていう制度ですよ!」
「回収するって、一体どうやってされるのですか?」
すると、団長と私の話に関心を持たれたのか、ステラ殿下も近付いてきて、一緒に私のことをじっとご覧になられた。
「そうですねぇ、……。その国の内部でのみ行うというのであれば、地方領主が徴税役人と騎士団に協力させて、……ですね。領民の家に戸別訪問して、使わなくなった武器、小刀とかショートソード、弓矢なんかを回収するんですね!」
「へぇ~~っ。結構、手間ひまかけてやるのね?」
ミラも興味深そうに訊ねてきた。
実際、彼女は騎士爵なので、……。
ファイルド王家が刀狩をいざ始めるとなったら、その任務に就くことが十分予想できるからだと思われる。
「そうだよ。しらみつぶしに、どんどん回収していくんだ。武器は鉄を使っているから、名目としては、寺院の鐘を新設するので寄進するとか言えば、……さ。皆さん、喜んで差し出してくれると思うよ。実際、もう使わない道具なんだし、……」
「「「……」」」
こちらがそう言うと、シルファー団長、ステラ殿下、ミラのお三方は納得がいったのか、黙って顎に手をやって頷かれてなさる。
「いいわね、それっ! ウチの国は善隣外交を推し進めているワケだし、近隣各国を誘って、おっきなお寺を建てるから、要らない武器を回収しましょう。それを建材に使いますからって言えば、各国も乗っかってくると十分思えるわ!」
団長がそう仰ると、……。
ステラ殿下も何かしら思い当たる節があったのか、こくりとひとつ頷かれると、また何かをお考えになられているようだった。
「だったら、ハルコン。私達の国だけでなく、周辺各国まで刀狩を実施したら、……さ。その場合、もうお互いに武力は要らなくなるんじゃない? その場合、騎士という身分も必要がなくなるんじゃないの?」
心配そうな顔で、そう訊ねてくるミラ。
「……」
そうだよなぁ、……。
私はこの場だけなら、もう持論を展開してもいい。
そんな頃合いなのかなぁと。
お三方の顔を見ながら、ふと思った。
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