52 マサル峠を越えて_27
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「いや、騎士という階級は決してなくならないよ!」
私が率直にそう答えたら、ミラはパッと表情が明るくなった。
その彼女の肩を、ステラ殿下がポンと優しくお撫でになる。
「なら、武器がなくなったその先に、騎士階級はどうやって活躍することになるの?」
ミラも、ごく当たり前の疑問を、こちらにぶつけてくる。
ただ、今は旅団の進む少し先で緊急事態が発生している状況にある。
大変興味深い話ではあるのだけど、……。
でも、今は目の前の問題を解決することが、その先だね。
「シルファー団長。ひとつご提案があります!」
私は、そこで団長の表情を窺った。
「なぁに、……かな? 私は、先ほど友人から厳しく叱責を受けたばかりだから、……。また何かお小言を受けるのではないかと、ヒヤヒヤしているよ!」
そう言って、片眉に一癖ある笑顔で、こちらにお訊ねになられた。
「団長は、銃を撃つところをご覧になりたいと、先ほど仰っておりましたよね?」
「確かに、そう言ったわ。でも、直ぐにハルコンから大声で怒鳴られてしまってさ。小心者の私は、もうびくびくで、……。しばらくは、思ったことを真面に話すこともできそうにないわね!」
そう仰ると、ニコリと笑顔をお作りになられた。
なかなかの胆力の持ち主だ。
こちらにも理があると思ったら、……さ。
持論を展開することに拘らず、相手の出方を冷静にお探りになる。
しかも、極上の笑みでそう仰るのだからね。
私にとって、このシルファー・ファイルド殿下という女性と知り合えたことは、大変ありがたいことだと思っている。
ステラ・コリンド殿下もそう。
ミラ・シルウィット騎士爵もそう。
いつも仲良くお話をしている、そんな仲間だと思っているけど。
でも、彼女達の知識、思考形態、実行力、胆力、……。
その全てが、この世界の女性達の最高水準にあるといっても過言ではないと思う。
しかも皆さん、とってもかわいい。
性格も、外見も人から好かれる要素の塊のような人達だ。
だから、私はこれからもこの3人だけは特別扱いをする。
たとえ、この先私が地球に戻ることがあっても。
何が起ころうと、彼女達の笑顔を曇らせるような出来事を、私は全て粉砕するつもりだよ。
ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!
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