52 マサル峠を越えて_23
* *
「了ぉ~っ解っ、ハルコンッ! 友人からの忠告を、しかと受け止めるわっ!」
シルファー団長はそう仰ると、両手を上げて、降参の意志をお示しになられた。
すると、その場にいた他のメンバー達は、ホッと安堵のため息を漏らした。
さすがはシルファー団長だ。退き時を、決してお間違えにはならないんだね。
「……」
中年の一級剣士も椅子の上の立膝を解くと、再び緩やかな姿勢に戻った。
私は、どうやらこの賭けに勝ったらしい。
周囲をちらりと窺うと、……。
ステラ殿下もミラも、とても緊張した表情をされている。
そのことからもワカるように、私はたった今、如何に危ない橋を渡っていたのかと、改めて強く思い知らされた。
「ごめんなさい。ハルコン!」
その団長の表情は、いつもの穏やかで柔和なそれで、……。
シルファー団長の器の大きさには、やはり感心しちゃうな。
おそらく、私とこの事態を前に仲違いするのは得策ではないという、感情云々を抜きにした、極めて理性的な対応のように思われた。
こちらとしても、非礼を即座に詫びて、団長の心象を少しでも良くしておこうと思った。
「出過ぎた物言いをして、誠に申しワケありません。ただ、それだけ銃というものは、危険な代物なんです!」
それだけ言うと、深く頭を下げて謝罪する。
すると、……。
「私は、良き友人に恵まれたと思っているよ。もしかすると、これからもファイルド国の道を誤るようなことを言うかもしれない。その時はハルコン。ステラ殿下にミラ。私のことを叱ってくれると嬉しいな!」
そう仰って、シルファー団長も深々と頭をお下げになられた。
ステラ殿下が団長を気遣って、その肩にそっとお触れになると、……。
「いいのですよ」
そう優しく仰った。
「ごめんなさい。軽々しく、銃が対コリンド戦で使われなくて良かったなんて、言ってはならなかったわ! この武器は、決して私達の世界では使われてはならない、……。そう思います!」
ファイルド国きっての女傑が、これほど深く反省の意をお示しになられたのだ。
なら私は一人の友人として、王国を支える一貴族として、この事態を極めて「穏便」に解決しなければならない。
私は再び元女盗賊の視野にアクセスすると、現地の最新の様子を探った。
ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!
この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!
ハルコンと一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨




