52 マサル峠を越えて_21
* *
さて、……。
斥候に出ている元女盗賊と「半次郎」は、一体どうしているのかな?
「元女盗賊さん。現地の様子は、どんな具合ですか?」
私がそう訊ねたところ、……。
『先ほど、……。サスパニアの軍隊ば、到着したとでやす!』
緊張した口調で、そう応じる元女盗賊。
私は直ぐに元女盗賊の視野を借りて、現地の様子を窺った。
すると、……。
野盗達と対峙する形で、銃剣を携えた100人ほどの兵士達の姿を確認することができた。
もう、兵士達は現地に到着してしまった後か、……。
だけど、何故このタイミングで?
伝わってくる情報次第では、元女盗賊と「半次郎」を即座に現場から撤退させないとマズいと思った。
「サスパニアの兵士達が、向こうに見えてますね。隊長は小水戸中尉のようですが、その件で『半次郎』は何か言っていますか?」
元女盗賊は傍らにいる「半次郎」の肩に手をやって、……。
『「半次郎」、向こうの兵士らば、小水戸中尉ば率いているのではなかでやすか?』
『うん』
そう言って、「半次郎」は元女盗賊の顔を見ずに、小水戸中尉の様子をじっと窺っている。
『なら、アタイらば、これからどうするとでやすか?』
その言葉に、「半次郎」はパッと振り向いた。
『ハルコンに、今から銃を使うところを、見せてあげたいよねぇ!』
『銃? でやすか?』
『そうだよ、銃! 小水戸達が、今にも銃で野盗達を皆殺しにするんだけどさぁ!』
そう言って、銃を発射するポーズを取る「半次郎」。
『銃? アタイば、未知の武器でやすが、……』
あいにく、元女盗族にとっては、見せられてもよくワカらない様子なのだけど。
『まぁ、……。これって、長射程攻撃も近接攻撃も可能なワケ、……』
『……!?』
『そだよ。でも、旅団が到着した際、ハルコンならひと目見て、きっとワカるはず!』
『……』
「ふむ、……」
元女盗賊と「半次郎」のやり取りを聞いているウチに、少しだけ思ったことがある。
もしかしたら、……さ。
オニキス関門から、無線で旅団が通過したことを、官邸に連絡したんじゃないかなぁって。
そうしたら、予め関門近くに待機させていた小見戸中尉達を現地に向かわせて、銃で野盗達を根絶やしにして、……。
デモンストレーションでも何でもするつもりなのかもしれないね。
「なら、……さ。実際に使用するところを、見てみたいわね!」
シルファー団長が先ほど仰った、その言葉を考慮すると、……さ。
あながち間違いではないような気が、段々としてきたよ。
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