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収穫祭
二人の家はいつも静かだった。
だけど、すごく居心地が良かった。
キミの話す声や、たまに響く二人の笑い声に幸せを感じた。
遠くに聞こえる街の喧騒さえも心地良かった。
引っ越してすぐに、キミは家の裏で野菜を育て始めた。
一年目は、不作だった。
キミは悔しがっていたけど、そんなキミが愛しかった。
二年目は、キミの作った野菜がちゃんと育った。
苦手な野菜でも、キミが育てたからか美味しく感じた。
三年目は、豊作だった。
キミの畑には野菜が沢山できた。
私のお腹には子どもが一人できた。
両親には子どものことを秘密にして、収穫祭をすると言って家に呼ぼうと二人で作戦を立てた。
部屋の飾り付けは二人でした。
悔しいけどキミの方が少しだけ料理が得意だから、私が両親を迎えに行くことになった。
玄関から外に出ると、一面に彼岸花の紅い絨毯が。
「机の上が寂しいね」
と二人で話していたのを思い出し、彼岸花を飾ってみた。
部屋の雰囲気がいつもより明るくなった気がした。
満足した私は、両親を迎えに行くことにした。
キミは彼岸花をみて驚くだろうか。




