表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/18

引力


壁の町を守る“神”――ゼロ。

だがその正体は、世界を蝕む“0細胞”の実験体だった。





やがて彼は、侵食に耐性を持つ少女と出会う。




ある夜、ゼロの視線の先に、ひとりの少女が現れた。


胸の奥――いや、もっと深いところで、何かが引き寄せられる。


本能とも、記憶とも違う。


だが確かに、内部のどこかが反応している。



一歩、踏み出しかけて、身体が止まる。



――近づくべきではない。



言葉ではなく、思考でもない。


もっと原始的な何かが、警告していた。



未知の存在。

触れてはいけないもの。


それでも。


視線だけは、外せない。


その存在を、確かめるように、ただ見つめていた――


またある夜、ゼロは壁の外の不穏な音に気づいた。


いつもの様に、広場へ向かう。


そして、身を低くして襲撃に備える。



ただ、ひとつ、いつもと違うことがあった。


少し離れたところに、少女の存在を感じる。


ゼロは迷わない。


もし、少女の身に危険が近づいても、絶対に触れさせはしない。



その思考は、最初から決まっていたかのようだった。



それから、侵食体の群れはすぐに現れた。


その数は今までにないほど多く、ゼロの体力は削られていく。



そんな崩壊の連なりの中で、その瞬間は唐突に訪れる。


数体の侵食体が、ぴたりと止まった。



――違う。



止まったのではない。


止められている。



視線の先。


少女の周囲だけ、わずかに空気が歪んでいた。



体の内側で、何かが強く引き寄せられる。



しかし、理解よりも先に、身体が動く。


その瞬間を、ゼロは見逃さなかった。



踏み込む。


地面が沈む感触。



次の瞬間、止まっていた時間が一斉に動き出した。



振り抜いた腕に、確かな手応えが返る。


鈍い衝撃とともに、障害が消える。



だが、それすらも重要ではなかった。


視線が、引き戻される。



少女は息を乱し、それでも立っている。


その姿から――なぜか、目を離せなかった。



視線が合う。


言葉はない。


それでも、確かに通った何かがあった。



内側で、わずかに変化が起きる。


定義できない感覚。


だが、はっきりと残る。


――この存在は、特異である。



ここまで読んでいただきありがとうございます。


この作品は、実際に見た夢を元にしてます。

そのため、現実的な理屈よりも、雰囲気や感覚を大切に描いています。


よければ、また次話も読んでいただけると飛び跳ねて喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ