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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第2章
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第二楽章 Valkyrie Op.2


 何がいけなかったんだろう。どうして道に迷ってしまったのだろう。昨日通ったばかりだったのに。迷わない自信があったのに。



 途中で日が落ちてしまったのが拙かった。自分がどこを歩いているのかがさっぱりわからなくなり、それでもおっとり気質の悠人は(何とかなるさ)と足を前に進めていく。


 だが電灯も何もない農道は、夜目が効かない悠人にとっては、長野の善光寺の胎内めぐりレベルの徒歩困難状況であった。手摺りもなくガードレールも無く、ただよろよろと道を一歩一歩進んで行くのだが、それによって暗闇はその深さを徐々に増していき、農道から市道に出る道の段差なんて気付きもしなかった。


 

 暗闇にダイブしたかと思った瞬間、顔を強かに地面にぶつけ鼻梁に激痛が走った。辺りをのたうち回っていると懐中電灯が悠人の顔を照らし、


「ぎゃあーーー」


 と言う本気の叫び声と共に腹部に衝撃を受け、気が遠くなった。



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