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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.82
店を出る頃には辺りはすっかり暗くなっている、どんだけ服選びに時間をかけたのだろう。
そんな自分にプッと吹き出しつつ、国道から県道に入り昨日の記憶通りの道筋を足取り軽く進んで行く。
途中バスが悠人を追い越して行く。が、悠人は気にしない。もう今は恵比須の浜近くのあの集落の事、そして京のことで頭の中ははち切れそうなのだ。
歩くのがもどかしく、小走りになる。昨日と違い、動き易い。顔は自然と綻んでいき、すれ違う地元民は、作業着姿の若い男が笑いながら小走りする事案を通報するか否か迷っている。
「昨日もよ、農道を怪しいスーツ姿の男がキョロキョロしながら歩いてたって言うし。治安悪くなったのかねえ」




