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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.77


 スマホが無いのでマップ機能が使えず、来た時とは違う県道沿いの大回りのコースを徒歩で三崎口駅まで向かう。


 バスが通っている様だが、バス停の時刻表によると生憎時間が合わず歩いた方が早いので、悠人は大きな溜息一つついてから歩き出した。



 宮川港という所まで来た時に、そう言えば定期をスマホに入れていたことを思い出し、同時にSuicaも使えないことにも気付き、大きく肩を落とす。



 来た時には殆ど下り坂だった故に、駅に向かう道は概ね上り坂である。徐々に重くなっていく足を引き摺りながら、やはりバスを待てばよかったかと軽く後悔する。


 それでも歩き続けるうちに大きな県道に出ると同時に、景色が一変して市街地の雰囲気が漂ってくる。


 丸一日、居ただけなのに。



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