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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.71


 お茶を持ってきた京が割と神妙な顔つきで、


「ミミョー婆ちゃんはさ、毎年見る初夢をさ、正月の三ヶ日にこの辺の人達にお告げすんの。それが又よく当たるんだわー昔から。そんで今年の三ヶ日。婆ちゃんが言うにはー」



(傷つきし海神が海より現れ その傷を癒せしのち皆に幸福を振りまかん)



 海神? ワタツミ? へ?



「そ。だからアンタ誰って聞いて答えた時、アタシとカオちゃんはぶっ飛んだの。だって婆ちゃんのお告げそのもんじゃん、アンタ」



 綿積という苗字が海神と同音なのは知っていた。だが生まれ育ちは山間部だしこれまでに海に関係のない生活を送ってきたので、悠人にはさっぱり理解できなかった。



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