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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.69


「もう良くなったのかい?」


「ええお陰様で大分良くなりました。まだ大きなたんこぶはありますが」


「ほっほっほ。そっちもそうなんだけど。心のケガ、の方だよ?」



 悠人はギョッとした顔で、


「心の、怪我、ですか?」


「うん。心の、ケガ」


「よく、わかりました、ね……」


「歳を重ねると、色んなことが分かるようになるんじゃよ。目は見えんけどな、いろんなもんが見えるようになるんじゃよ」



 いつもの悠人ならば疑いの目を差し伸べたに違いない。だが今の悠人はその言葉を驚く程素直に受け止めて、


「そっか。俺の心の怪我、見えますか?」


「血は止まった様じゃな。あとは傷が塞がるのをじっくりと待つ事じゃ」



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