65/434
第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.65
砂利道が二股に分かれ、その一方を進む。周りの樹々は密集さを増し、道の傾斜から山を登っているのが分かる。
しばらく歩いてからふと振り返ると、眼下に恵比須の青い海と磯が眺められ、悠人は思わず声をあげる。
「うわっ すっげー!」
京は立ち止まり、
「もっと上まで行けば、もっとキレイだよぉ」
悠人はかつて見たことのないような絶景に見惚れ、足がすっかり止まってしまう。
暫しののち。ハッと我に帰った悠人は、
「で、俺たち、どこに行くの? この山の頂上?」
「違うし。あとちょいだから、ついてきてぇ」




