62/434
第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.62
砂利道を小畑家とは逆に進む。
両側は雑木林に覆われて、成る程夜では辺りは真っ暗で歩くのも苦労しそうである。街灯は皆無、電信柱すら目に入らない。
その雑木林は小高い山に続いており、その山と山の谷間の集落なのだとようやく分かる。
そんな思いを察するかのように京が、
「この道を登っていくと、シンタの畑とカオちゃんとこの田圃があるんだよぉ。あと、琴音さんとこのニワトリはさぁ、あのお家の裏庭で放し飼いになってんだよ。帰りに卵もらってこーぜぇ」
悠人は惰性で頷き、京の後を追った。




