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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.57
「この集落はね、この磯部の家でしょ、田圃持ってる私の家、畑耕している小畑の家、鶏を飼っている鳥山の家。この四世帯だけなのよ」
それは驚いた。まだ家の周りをよく見ていないから分からないが、もっと大きな村かと思っていた。
「みんな自給自足みたいな生活してるのよ。ウチで取れたお米をみんなに配って。小畑さんから野菜もらって。鳥山のお婆ちゃんから卵や鶏肉分けてもらって。この京ちゃんが取ってくる海藻や魚介類を頂いて」
「それじゃ、コンビニとか無いんですか?」
京がプッと吹き出し、
「歩いて一時間のとこにあるよ。雑貨屋なら港の前にあるけどさ」
「ここは、俺が倒れていた磯から遠いのですか?」
「そうね、歩いて十五分位かしら。後でこの辺散歩してみたら? まあ五分もあれば見回れちゃうけどね」
そう言って香はぺろっと舌を出す。




