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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.51


 そう思うと急に憐憫の念が込み上げてくる。


「さ、食べなよぉ、アタシの分もさぁ、食べなよ」


 京は直箸で卵焼きを悠人の皿に置く。


「遠慮しないでいいよぉ、足りなかったらまたチャチャって作るからさ」



 勿論、京は知らない。


 女性と付き合ったことのない男子が、女性にされて動揺するランキングの上位に位置する、『直箸行為』。


 多くの男子は、この行為により相手女性の唾液を意識してしまい、味覚が著しく変化してしまうのだ。


 当然、悠人は激しく動揺する。すると急に食欲が無くなり、対面の京を真面に見られなくなり、下を向いてしまう。そして茶の間は気まずい空気に満たされていく……



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