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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
43/434

第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.43


 風呂から上がり体を拭き、作務衣をノーパンで着込んで悠人が寝込んでいた茶の間に戻る。


「お先に。お陰さんでサッパリしたよ」



 京はフーンと呟き、自分も風呂に入ってくるから出るまで待っていろと命令され、苦笑しながら頷いた。



 改めて部屋を見回す。



 木造の古い造りである。畳敷きが妙に居心地良く感じる。仏壇には京の父親と祖父の遺影が飾られており、よく見るとちっとも京に似ていない。きっと母親似なのだろう。


 壁には父親か祖父が釣り上げたであろう大きな魚の魚拓が数枚飾ってある。父親が海で死んだと言っていたな、この家は漁師の家系なのか。


 他の部屋も覗きたくなったが、生真面目な悠人はそれが出来ない、言われたままに茶の間で一人佇んでいた。



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