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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.40


「よ、よせ。この世に、そんなのが存在するはずがないっ」


 京は首を振りながら、


「いやいやいや。いるって普通にぃ。こないだもさ、五年前に死んだ源さんが岩場で釣りしてるのをシンタが見たしぃ」


「ひいー や、やめろよ」


「あとさあとさ、夜釣りでクロダイ釣りあげたらぁ、『騙したなあ』って呟いたって」


「う、うそだ、そんな魚はいないっ」


「お盆の頃にはぁ、夜、兵隊さんが県道沿いを行進しているぜぇ」



 悠人は全身に鳥肌が立ち、震えが隠せなくなっている。


「この辺の人は夜絶対歩かないよぉ、だからやめとき。泊まってき」


 悠人は激しく首を縦に振るのであった。



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