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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
39/434

第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.39


 悠人はギョッとし、


「出る? 何が?」


「ケモノ。イノシシとか、サルとかぁ。あと山犬でしょ、それに山猫でしょ。食べられちゃうぞぉ」


「山猫って…… 宮沢賢治かよっ」


「は誰それ? 芸人?」



 悠人は呆れ顔で首を振りつつ、


「県道沿いに歩いて行くから。大丈夫だろう」


「ダメだって、ヤバいって。出るって、コエーのが」



 悠人はびくりとする。コエーのって、まさか……


「例えば?」



「首のないバイク乗りだろぉ、赤ちゃん抱えた着物着た女だろぉ、ターボババアにあとはぁ〜」



 悠人の顔が引き攣る。彼は心霊現象系が大いに苦手なのである。



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