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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.39
悠人はギョッとし、
「出る? 何が?」
「ケモノ。イノシシとか、サルとかぁ。あと山犬でしょ、それに山猫でしょ。食べられちゃうぞぉ」
「山猫って…… 宮沢賢治かよっ」
「は誰それ? 芸人?」
悠人は呆れ顔で首を振りつつ、
「県道沿いに歩いて行くから。大丈夫だろう」
「ダメだって、ヤバいって。出るって、コエーのが」
悠人はびくりとする。コエーのって、まさか……
「例えば?」
「首のないバイク乗りだろぉ、赤ちゃん抱えた着物着た女だろぉ、ターボババアにあとはぁ〜」
悠人の顔が引き攣る。彼は心霊現象系が大いに苦手なのである。




