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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.31


「ああ、ここ? アタシん家。アンタ覚えてないっしょ? 磯場でぶっ倒れてたんだよぉ」



 ああ。そうだった。



 足を滑らせて後頭部を岩場に打ち付け、気を失っていたのだ。右手を後頭部に回すと信じられない程の大きさのコブが盛り上がっている。



「仰向けになって潮だまりに顔だけ出してたんだわ。それ見てすげービビったしぃ」


 潮が満ち、危うく海に流されるところだった様だ。もし彼女が見つけてくれなければ、今頃溺死していたに違いない。


「そんでシンタに声かけて陸にあげてさぁ。そんでもアンタ起きなかったからぁ仕方なくここに運んだ訳。え? 着てたスーツ? すっかり潮吸っちゃってっからぁ、もう台無しじゃね? それを男衆が脱がせてさぁ、そんでじーちゃんが着てた服を着せてぇ、って感じかなぁ」



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