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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第1章
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第一楽章 Grande Sonate pathetique Op.17


 改札を出ると、急に持っていたビジネスバッグが邪魔に感じ、財布だけ取り出してコインロッカーに放り込んで鍵をかけた。



 スマホを取り出し、普段あまり使うことのないマップ機能を使い目的地を探る。


 パッと眼に入った海沿いの『恵比須』という地名。



 東京の恵比寿なら知っているが、こんな田舎にも同じ名前の地名があるのか、何故か分からないがこの地名に惹かれそこを目的地にセットする。


 経路を徒歩に指定すると、所要時間が一時間十分と表示される。


 時計を見ると十二時四十八分。二時前には到着できるだろう。スーツ姿に革靴のまま、悠人はスマホを片手に歩き始めた。



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