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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第2章
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第二楽章 Valkyrie Op.60


 気がつくと悠人も叫んでいた! 


 ほんのりと東の空の闇が薄らと晴れていく。二人は気づかなかったが、間もなく夜明けなのである。



 信太はそれに気付きゆっくりと立ち上がった。そして目を凝らし辺りの景色をゆっくりと見回していく。



「ああ、あん時もこんな景色だった。真っ暗闇がうっすらと明るくなっていく中で、俺は…」


 その薄がりに向かい信太はゆっくりと歩き出す。



「富永…… トミさん。あんたホントいい奴だった、年は三十過ぎだけど若々しくて駄洒落が大好きで… いつも年少の隊長の俺を気遣ってくれて。「あんま気負わないでください、禿げますよ」なんて言ってよ。会いてえよ、トミさん。また一緒に飲みてえよ、トミさん…」



 目に溢れんばかりの涙を湛え、片手に持ったコップを高々と抱え、やがてそれを東の空にパッと振り撒いた。その拍子に一筋の大粒の涙が頬を伝った。



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