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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第2章
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第二楽章 Valkyrie Op.59


 困惑と怒りの表情で、だが口をポカリと開けて信太は悠人を凝視する。


「人ってみんなそうだと思う。京のお爺さんは去年死ぬ運命だったんだよ。信太さんのお父さんも、然り。生き死にだけじゃない、人の行動はそれそのものが運命なんだよ」


「なんだ、そりゃ?」



「俺が今ここにいるのも運命なんだよ。一昨日、溺死しなかったのも運命。就活に全滅したのも運命。あの両親の元に生まれてきたのも運命。だから、」


 悠人は信太に向かい合い、


「俺は今、信太さんの心の叫びを聞くために、生まれてきたんだよ。そして、」


 信太は唖然とした顔で悠人を眺める。


「その叫びを受け止め、肯定する為に生まれてきたんだよ!」


 信太はゆっくりとかぶりを振るも、言葉が出てこない。



「そして。信太さんはその時に部下を失い心に傷を負い、今夜俺にそれを話し、最後に救われる為に生まれてきたんだよ!」



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