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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第2章
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Soli di 信太 Op.8


 輸送ボートから海に入り、小一時間かけて島に近づいたんだ。敵に感づかれねえようにな。上は月の無え真っ暗な空。下も真っ黒な海。気を確かに持ってねえと、発狂しちまうような闇だったよ。だから最初に上陸した瞬間は敵への恐怖なんかより、フワフワした闇から生還したって、ホッとした気持ちの方が強かったよ。それでも陸に上がった六人はすぐに警戒態勢に入り、俺、江田島の城島、タツが西から、千倉、富永、江田島の山瀬が東から回っていく事に決め行動開始した。すぐに見張の敵兵を見つけて。俺が合図する前にタツがそいつの後ろに回って一瞬で締め殺したよ。ナイトスコープ越しにも何が起きたのかわからねえ位に瞬殺だ。ああ、コイツ味方で良かった、部下で良かったと心底思ったぜ。江田島の城島も目を丸くして驚いてたな。それから俺たちは島の西側の要所で警備している民兵―想定していた通りコイツらは俺たちのような特殊部隊ではなく、金で雇われた民兵もどきな奴らだったから倒すのは容易だった。三時に作戦開始し、四時には島の西半分は完全に制圧した。どうやら敵は東からの千倉達の小隊の侵入に気付き、そっちに向かったらしかったので、俺たちは逆にその背後から追撃することにした。徐々に銃声が聞こえ始め、中国語の怒鳴り声があちこちに響いてくる。中国語に堪能なタツが「奴ら退却するらしい」と伝えてくる。事前調査で奴らの漁船が東側に泊められていたのは知ってたから、海上の補助部隊の保田にそれを伝え漁船の撃沈を依頼した。

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